KODAKのデジタルカメラ、EasyShare M532を購入しました。
2011年発売で、まだKODAKがデジカメ事業をしていた頃のカメラです。
M532とは
EasyShareシリーズはSNSへ簡単に投稿できるShareボタンを持っている事を売りにしていたカメラですが、日本では機能が未対応でした。
なので単に廉価デジカメとして流通していました。
販売は芳しくなかったようで、中古品を求めてamazonやフリマサイトを検索しても販売されていません。
なのでセカイモンで輸入して購入しました。アメリカで購入、送料込みで約7,000円くらい。
日本で発売されていた機種なので日本語表示も出来ます。
充電はMicro USBで、バッテリーは互換品が購入可能です。(2021年2月現在)
なので本体の状態が良ければケーブルなし、バッテリーなしでも購入して不都合はありません。
そしてこれがM532を購入した理由です。
フィルムシミュレーション機能です。
私の愛機であるKODAK PixPro S-1に搭載されているコダカラー、エクタクローム、コダクロームの他にモノクロのフィルムも搭載されています。
T-MAX、Tri-X、そしてセピアまで対応です。
カメラとしては1450万画素ですが、フィルムシミュレーションを使う場合は画素数はそれほど影響しないので十分な性能です。
この他にオート、そしてシーンモードが18種類です。
ズームは4倍で、上の写真の右上のレバーで操作します。
本体メモリがありますが、最高画質で撮影する場合は5枚までなのであくまでも補助的な物です。
本体メモリに写真がある状態でSDカードを入れると、自動的に確認画面が立ち上がり、ボタン操作を行う事で本体からSDカードに移動されます。
これは便利な機能なので、他のデジカメでも採用してほしいです。
前述の通りこのレビューを書いている時点で10年落ちの機種です。
高感度、手ブレ、画質などなどで現行のカメラやスマートフォンのカメラ機能に勝る部分はありません。
それとこれはJK Imagingに移行後も含めてKODAKカメラの悪い特徴ですが、液晶画面が良くないので微妙なピンボケや手ぶれが画面で確認しづらいです。
フィルムシミュレーションの作例
やはり注目はフィルムシミュレーションです。
では作例を行ってみます。
撮影場所は日暮れの時間帯の宇野港です。
レトロ調のセピアに近いコダカラー。
周辺が黒くなっていますが、コンデジなのでケラレではありません。
そういう演出です。
個人的にはちょっと過剰だと思いましたが、好み次第でしょう。
こちらがエクタクロームです。
前述のS-1と比べると、こちらの方がエクタクロームっぽいなと思いました。
コダクロームです。
独特の深みもいい感じに出ています。
夕焼けの時間帯なので、ちょっとエクタクロームとの違いが判りづらくなってしまいました。
独特の黄色っぽい感じの仕上がりも再現されています。
T-MAXは微粒子を実現したフィルムで、スッキリとしたモノクロの写真が撮れます。
高感度も売りですが、デジカメのフィルムシミュレーションなのでそのメリットは少なめです。
M532には普通のシーンモードに白黒撮影がないので、カメラ内では標準の白黒撮影モードという位置づけになりそうです。
こちらがTri-X。
昔の報道写真などでよく用いられたフィルムらしく、撮った感じは歴史の教科書などで見た戦争の白黒写真のようなイメージです。
カメラの説明では「劇的」という表現が用いられていますが、T-MAXと比べるとややドラマティックな仕上がりになっています。
Tri-Xは使っていて面白かったので、もう少し作例を出します。
まずは宇野駅周辺の風景。
メリハリのある白黒です。
本当に昔の風景写真のように見えますね。
もう一枚行きます。
入居者がいなくなった雑居ビルの風景です。
閑散とした雰囲気と白黒がハマります。
個人的にはTri-Xの為にM532をゲットするのもありだと思うくらいです。
フィルム以外で面白いモノクロを探している方がいればお勧めです。
最後はセピアです。
フィルムシミュレーションというよりはセピアトナーの再現でしょうか。
周辺減光はコダカラーと同じく、そういう演出です。
他のシーンモードはデジカメ定番のシーンで、特に珍しいものはないので省略します。
感想
前述の通りデジカメとしては古い機種ですし、発売された当時に名機として知られていた訳でもありません。
いい写真が撮れることを期待して購入するなら、やめておいたほうが良いでしょう。
購入してからずっと持ち歩いて使っていますが、それでもフィルムシミュレーションで遊ぶために購入する以外に特におすすめするポイントは思いつきません。
起動、電源オフにはやや時間がかかるのと、フィルムシミュレーションには加工の時間がかかるので連写は出来ません。
ただしコンデジとしては良い時期の物で、性能の割に薄型で手のひらに収まります。
気になった風景があったら、片手でバシバシ撮りまくれます。
スマホの隆盛でこういうカードサイズの薄型コンデジは絶滅に近い状態になりましたが、使ってみるとやはり便利です。
それこそTri-Xやコダカラーといった特徴的な描写専用にするのもありでしょう。
ポケットに滑り込ませられるサイズなので一眼と2台持ちにしても負担は皆無です。
ポケットに一つ、曲者のカメラを入れてみてはいかがでしょう!?