馬賊とは? その真相に迫る
私は倉敷市の水島辺りを通る事が多いのですが、以前から「馬賊」という建物が気になっていました。
AMUSEMENTとある事から、何かしらの娯楽施設なのであろうことは想像できましたが、既に営業はしていないようです。
その割に自動車はよく止まっているし…と。
この建物です。
看板は馬賊のままですが、随分と傷んでいるので営業しなくなってから長い年月が経過したのであろう事が推測できます。
実はこの建物が2024年4月に競売情報のサイトに浮上してきました。
3点セットなどの資料から、中の様子などを確認できたので紹介していこうと思います。
まず馬賊とは何ぞや?という事なのですが、これは三点セットにも記載がありません。ネットで検索してみるとゲームセンターだったそうです。
営業時期も不明ですが、ネット検索で最も新しい年代で営業が確認できるのは2006年です。そしてGoogleマップのストリートビューで遡ってみると、2011年には営業していないように見えます。
で、建物内部の様子です。
こちらが建物の様子です。
奥に随分と広めにとられた厨房とカウンターがあります。
この建物はゲームセンター以前に飲食を提供する何かしらの業種だった時代があるようです。
もしかすると飲食店だったのかもしれません。
ゲームセンターの廃業後にこの建物はトキメックという会社に貸し出されています。2年前に破産した会社で、すぐ近い場所にあったエスピースタジアムというパチンコ屋の運営を行っていた会社です。馬賊が閉めた後も駐車場に車があったのはこの会社が入っていた為です。
建物には処分しきれなかった動産が今も残されています。
パチンコ台です。トキメックが破産する際に売却して現金化しようとしたものの売れ残ったものです。
そのまま残されていたのですね。既に会社も倒れた今となっては、建物所有者が処分しなければならない状況だったのでしょうか。
ところでトキメックについての記載にで、馬賊の営業期間に関して疑問が残る記載があります。
同社と賃貸契約を結んだのは、「トキメック有限会社が会社設立した昭和62年3月ごろから月7万円で賃貸していました」(現況調査報告書より引用)とあります。これは先に挙げた2006年(平成18年)と矛盾します。
もしかすると店舗の部分以外の倉庫などを貸していた契約なのかもしれません。それが馬賊が営業を終えて空いた店舗も貸すようになったとか、そういう事情も考えられます。
そして建物の2階はオーナーと息子夫婦、その子供らが暮らす私宅になっています。
メチャクチャ広いです。
現時点でも住んでいるので、購入を検討したい人は現在も人が住んでいる事、建物をそのまま利用する事を検討する場合は大量のパチンコ台の処分をしないといけない可能性がある事を把握しておきましょう。
何故、今頃になって…?
短く見積もっても廃業してから十数年が経過している馬賊の建物が競売に出るに至った事情について、もしかして…?という事が書いてありました。
まず馬賊が無くなってから、オーナーはどうして生活していたのか?…ですが、実はオーナーは周辺にいくつも土地を有しています。馬賊の建物の裏にも広い駐車場があります。
それらを法人や個人に駐車場として貸し出していました。そして店舗跡は前述の通りトキメックです。現況調査報告書の記載によると駐車場の貸し出しで約9万円程度、そしてトキメックの家賃で計16万円の収入があります。
もちろんこれ以外に仕事や年金などの収入があったかもしれませんが、贅沢しなければこれだけでも生活は出来るでしょう。
令和4年9月に自己破産手続き開始決定が出ると、トキメックが家賃の支払いをしなくなりました。
もしかするとこれで行き詰ってしまったのではないでしょうか。1階の店舗跡に新たな借主を迎えようにもパチンコ台が大量に残されています。
競売情報が出るのと競売になる事が決定する間には約半年の期間があります。なのでトキメックが廃業してから約一年が経過した時点で、店舗跡を維持するのは難しいと判断して競売を選んだ…というのはあるかもしれません。
最後にもう一つ。道路からもよく目立つこちらの看板。
こちらに関しても資料の中で触れられているのですが…。
溝の蓋の上に設置されており、ここだと占有許可が必要になるようですが、「占有許可の申請はなされていない」と書いてあります。
場所的に許可が出るかどうか分かりませんが、この看板も使い続けたいと思ったら申請から始めないといけませんね。
という事で馬賊を振り返ってみました。