山陽新聞の記事で興味深いタイトルの物があったので読んでみました。
公共交通 4市町が「危機的状況」 本社が県内調査 背景に運転手不足(https://www.sanyonews.jp/article/1546182?rct=area_tamano)
公共交通機関についてのアンケート結果で、4市町が危機的状況と回答したそうです。
該当するのは 岡山市、玉野市、真庭市、そして美咲町です。
奇しくも県北部と南部で半分ずつです。
岡山市の理由
事業者の経営難、運転手不足、路線・便数が足りない
玉野市の理由
運転手不足
真庭市の理由
事業者の経営難
美咲町の理由
タクシー補助金で財政が圧迫
それぞれ深堀してみる
それぞれの市町の理由について考えていきましょう。
まず岡山市。さすが県都だけあって、他の市町とはやや悩みが異なります。
まず事業者の経営難に関してはバス9社が参入していて、競争の激化で体力が削られている事情があります。
路線の再編などの協議が進められているので、これに関しては徐々に解決に向かっているのでしょう。
運転手不足はニュースでも良く報じられているのでご存じの方も多いと思いますが、岡山市の場合は路線や便数が足りないという事情も掲げているので、需要はたっぷりあるのにそれを満たす運転手がいないという、やや嬉しい悲鳴とも取れるような理由のようです。
昨今の市街地におけるマンションブームでバスなどの公共交通への需要が高まっていて、追いつかないような状況なのでしょう。
続いては玉野市。
こちらに関しては運転手不足で富士タクシーが閉業に追い込まれた事が原因のようです。
市内には他にも業者がありますが、運転手不足の問題が解決されないと同様の事例が続く可能性もあります。
とはいえ、これは玉野市だけの問題ではないはずです。記事中からは何をもって危機的状況と回答したのかは読み取れませんでした。
余談ですが富士タクシーは玉野市玉地区、私の故郷に拠点を置いたタクシー会社です。
電話番号が21のサイゴーさんという意味の分からない覚え方で、それでも妙に頭に残るので携帯電話が普及する前は番号を覚えているから富士タクシーを呼んだという人も多くいました。
次の真庭市は以前にもJR西日本の株式の取得を目指す旨を発表しており、姫新線の将来性に対して強い危機感を抱いているのが分かります。
ここで挙げている事業者というのも恐らくJRの事でしょう。
真庭市の姫新線対策の詳細は↓で。
ただし姫新線は現時点で廃止議論があるわけではありません。
人口の推移などを考えるとほぼ間違いなく、将来的に浮上するであろう問題なので、未来の見通しが良くないという点で危機的状況としたのでしょう。
最後の美咲町は先に紹介した3市より明確な状況を挙げています。
黄福タクシーという制度を設けており、65歳以上の高齢者、障害者などの手帳を持っている人、要介護の人、妊婦に対して提携タクシー会社を利用する場合に地域内移動最大330円、町内移動最大1,000円、町外への移動一万円までは半額負担(一万円を越えた部分は自己負担)という内容になっています。
これはかなり手厚いですが、それが財政を圧迫しているそうです。個人的にはもう少し値上げをしても利用者は維持できそうな気がしますが、団塊世代の人口などを考えればもうしばらくは利用者が増加傾向で推移するのでしょうし…。
…という事で、それぞれに色々な事情や考え方から危機的状況と答えたようです。
これについては自身で答えるより、山陽新聞社なり第三者機関が客観的に判断した方が面白いのではないかと思いました。
ぜひ続報のような形で記事にしてほしいです。