ブログの記事で過去に何度か玉野市玉地区の廃スナック街として、夜のお店の廃墟群を紹介したことがあります。
玉地区は三井造船(現・三井E&S造船、三菱重工マリタイムシステムズ)の企業城下町として栄えてきた街で、往年は飲み屋が地区の至る所に立ち並び、仕事を終えた工員さんたちで賑わっていました。
しかし長引く造船不況の影響でそうした風景も昔の物となり、多くの飲み屋が店をたたんでいきました。
廃スナック街はその中でも最も造船所の工場に近い場所に位置します。
5軒を超えるお店が集中して立ち並んでいましたが、全て閉店や移転で廃墟街となって久しいです。
上の写真の通り建物の大半は倒壊し始めており、台風や大雨の度に少しずつ朽ちています。
特にこちら側の建物は既に倒壊してしまっています。
私が最初に廃スナック街を取り上げたのは2016年の事です。その頃はこの建物はまだ健在でした。(関連リンク:玉野市玉・元スナック街の風景)
中は営業していた頃そのままが残されており、居酒屋のようなメニューがあった事を覚えています。
あれから10年も経たずしてこの状況です。
実はこれらの建物に関して、ちょっとした変化がありました。
ずっと放置されてきた場所なのですが、最近になって玉野市からの公示の看板が立てられました。
建物の倒壊に伴い、市道の通行が危険になった為に通行止めになっています。
それを改善する為に所有者へ連絡を呼び掛けているのです。
後ろに車がありますが、これらの建物群の中で一つだけ人が住んでいる家があります。
その家もスナックの建物の倒壊でダメージを受けています。それでも人が住んでいるので、てっきりその家の方が全ての建物を管理(もしくは所有)しているのかと思っていました。しかし公示看板の内容からすると別人のようですね。
実は建物の内、一つだけはなんとなく事情を知っています。
カラオケが出来るスナックで、店を切り盛りしていた女性が急逝した為に閉店しました。
その時に葬儀を切り盛りしたのが親族ではなく、知人や従業員でした。恐らく付き合いのある親族がいなかったのでしょう。お店はそのまま誰かに相続される事なく浮いた状態のままになっていたのかもしれません。
他の建物も見たような状況なのでしょうか。
管理する人が誰もいないと判断された時点で税金による撤去…という流れになりそうですね。
最近では建物の損壊が酷く、ブログでも紹介する事は無くなっていました。
もしかすると次に取り上げる時は更地になった風景かもしれません。
…と思ったのですが、実はそのカラオケスナックの建物が深刻なダメージを免れて残っている事が分かりました。
次の記事で建物の様子を紹介しようと思います。これが最後の廃スナック街の記事なるかもしれません。乞うご期待ですね。