少し前にサイトの資料として「日本怪奇名所案内」という、全国の心霊スポットを紹介する本を購入しました。
1976年出版の本ですが、せっかく購入したので幾つかスポットを紹介してみたいと思います。
駅前旅館に出る幽霊女中さん(佐賀県)
佐賀県唐津市の駅前の旅館に泊まった雑誌記者の怪談。
強行軍のスケジュールでクタクタになり、駅前の旅館で寝入っていると人の気配で目覚めました。
ちょうど女中が襖を後ろ手に閉めて出ていくところでした。
その後姿があまりに美しかったので、「そのまま行かしてしまうなんて、そんなもったいないことはできない」と、慌てて後を追いました。
しかしその襖を空けて見ると、そこは通路ではなく押入れだったのです…。
ありがちな怪談ですが、後ろ姿で美人と思い込んで声をかけると心霊よりも慌てさせられる事も起こりうるので要注意です。
足だけの幽霊の出る喫茶店(東京都)
文京区音羽の喫茶店での怪談です。
このお店のトイレのドアの下部は鎧扉になっており、中に人が入ってライトを付けると人が入っているのが分かるようになっていました。
ある時にマスターが用を足そうとすると、誰かが入っている様子が見えました。
そこで待っていましたが、他の店員に聞いても客は全員店内にいるはずです。その内に客の一人がトイレのドアを開けると、そこには誰もいませんでした。
このお店では翌日にも店員がトイレに人の気配を感じることが有り、お祓いをする事になったのだとか。
ところでこの時にお店の近くでは工事が行われており、そこには旧陸軍将校連が連れ込んで暴行した女性を埋めたという噂があったそうです。
余談ですが、本文で工事について最初に触れられています。
その時にさも意味ありげにカウンター席に座る客が増えたという記述があるのですが…、本文には全く関係が無いという不可思議な現象も起こっています。
K女子大学の七不思議(東京都)
今回も引き続き東京都文京区の怪談です。
K女子大という大学を統廃合を含めて検索したものの、それらしい大学はヒットしませんでした。
もしかすると名前はぼかされているのかも知れません。
この大学に伝わる七不思議です。
1.講堂の肖像画の首が動き、目が左右に回る
2.売店近くのトイレの前の鏡に、みつあみの女の子が映る。振り向くと誰もがいないが、ドアがひとりでに閉まる
3.講堂に通じる地下道に、使用されていないエレベーターがある。このエレベーターではかつて用務員が腕を千切られる事故があり、その片手がさまよっている
4.本館2階のトイレでは自殺者があり、その悲鳴が聞こえてくる
5.真夜中の校庭で赤ん坊がマラソンをしている
6.地下の化学実験室では謎の異音がする。その音を用務員が不思議そうに聞いているが、振り向くとその用務員はのっぺらぼう
7.講堂はかつて囚人を収容するために用いられており、夜になると殺せ!などという苦しそうな声が地下から聞こえてくる
全体的に懐かしいノリで、怪談なのにニヤニヤしてしまいました。
トワイライトシンドロームとか、そういう世界観ですね。
心霊スポットの場所が詳細に指定されていて、実在する学校が舞台になっていそうですが…。
1970年代の文京区に存在したK女子大をご存じの方がおられれば、ぜひご連絡下さい。
…と、長くなってきたので今回はここまで。
この心霊読書の記事ではなるべく現場のストリートビューを貼るようにしていますが、舞台が把握できない話ばかりでしたね。
足りない部分は皆さんの想像力で補ってください。
また徐々に追加していきます。
この本の他のスポットについてはタグの「日本怪奇名所案内」をご確認下さい。
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