下水組合から2600万円横領か 倉敷市庄新町の町内会が刑事告発(https://www.sanyonews.jp/article/1014148?rct=jiken_jiko

倉敷市庄新町の下水組合で、組合の預金の大幅な不足が発覚しました。
組合の事務を請け負っていた管理会社が2,600万円を横領したのではないかとして、町内会が刑事告発する事態になっています。

事件概要

倉敷市庄新町では集中浄化槽(詳細は後述)を用いており、その管理費として住民が月3,000円を支払っていました。
しかし地区の下水を公共下水道に変更する話が持ち上がり、管理会社に決算書の開示を求めたところ預金が大幅に足りない事が発覚しました。

預金は卓球大会、囲碁大会、貸付などの凡そ下水組合の業務とは関係ないと思われる項目で引き出されていました。
預金を組合の目的外で引き出す他、住民から集めた管理費を入金せずに着服していた疑いも出ています。

期間は2014年~2018年に及んでいます。
管理会社の社長は「業務は適正に行った」と山陽新聞社の取材に応えていますが、組合に属している住民が卓球大会や囲碁大会に覚えがないというのであれば…、ちょっと不自然な感じはしますね。

集中浄化槽とは?

では集中浄化槽とは何かについて説明します。
浄化槽とは下水道の代わりに設けられている施設です。

倉敷市の下水道普及率は80%(※H30年度)です。
しかし下水道がない=汲み取り式のポットン便所というわけではありません。

家庭にその代わりとなる浄化槽が設置されているケースも多いのです。
それらの家では普通に水洗のトイレが用いられています。
流された後の排せつ物が下水道ではなく、浄化槽という水を綺麗にする施設に繋がっているという点が違うだけです。

浄化槽は家に個別で設置される場合もあれば、住宅が密集する団地等では住民の出す汚水を一括して処理する大型の集中浄化槽が設けられる事もあります。

岡山県の下水道普及率

ところで倉敷市の80%という下水普及率をご覧になった、どのように感じたでしょうか。
もしかすると「え、100%じゃないの?」と思った方もいるかも知れません。
しかし日本の下水道の普及率は79.3%で、実は倉敷はほぼ全国平均の普及率です。

岡山県全体での普及率は68.1%で、全国平均よりもやや劣ります。
特に岡山市は67.4%(H30年度)で、軒並み80%~90%台の普及率である政令指定都市で最も低い普及率です。

しかしこれは浄化槽の普及率が高いという事です。
岡山市内のあちこちでバキュームカーを見かけるような事がないのは、そういう事なのです。

ちなみに岡山県内の自治体だと、町では早島町の99%、村では新庄村の75.7%、市では玉野市の95.295.2%が上位の数字になっています。
西粟倉村では集落排水の普及率が99.5%で、下水道普及率は0%です。

しかし浄化槽などの事情を考えれば、単純に下水道普及率が低いからと言って驚いたり卑下したりする必要は全くない事が判りますね。




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