岡山県の公式サイトで「県政への提言」というコンテンツがあります。
これは県民から寄せられた県政への要望などの意見の内、幾つかを回答付きで掲載しているものです。
今回は令和7年12月に新スタジアムの件が出ていたので、そちらを紹介したいと思います。
サッカースタジアムの建設について
〇税金を投入してサッカースタジアムを建設することに反対である。優先順位をよく考えて、もっと他の施策に予算を使うべきではないか。
サッカーに興味がない人や県北に住んでいる人にはあまり関係がなく、利益に資することもない。県民全体の意見を集約した結果によって判断していただきたい。⇒スタジアム建設の計画については、建設について何ら決まったものはございませんが、今後、幅広い関係者との協議等を始めることにより、様々なご意見を聞いてまいりたいと考えております。
今後とも、岡山県政にご理解を賜りますようお願い申し上げます。 敬具
(担当課室:スポーツ振興課)
〇の方が提言、⇒の方が県からの回答です。
新スタジアム、どういう議論?
サッカースタジアムの話題はニュースでもよく取り扱われているのでご存じの方も多いと思いますが、具体的にはJリーグのファジアーノ岡山の新しいスタジアムについてです。
専用スタジアムを求める声は以前からありましたが、特にJ1に昇格してからは、人気チームとのホーム戦も増えており、収容人数が不足し、前売りチケットの入手が困難な状態が生じている、観客席の屋根がある部分が不足している、そしてサッカー専用ではないための臨場感の不足などが新スタジアムを求める主な理由になっているようです。
収容人数に関しては現行の場所で増やす対応が取られる事が決まっていて、多少の緩和が期待できますが、他の二つに関しては、やはり新たなスタジアムでないと対応は難しいのかな?といった印象です。
今のところ多くの署名が集められたり、商工関係からの要望なども県に送られているものの、県としての具体的な動きはありません。
ただ求める声ばかりがフィーチャーされる中で、反対の声もあるんだぞという意思表明がこの度の質問なのでしょう。
提言内容を見ていく
では提言内容について深堀してみましょう。
大きな趣旨としては反対で、その理由として二つの理由が挙げられています。
- サッカーに興味がない人には関係がない
- 県北に住んでいる人には利益に資する事がない
つまり県民全体の求めるものではないのだから、もっと税金の使い道を考えるべきだという事ですね。
この理由のひとつ目、サッカーに興味がない人には関係がない…というのは、個人的にはさほど大きな理由ではないと思います。
これを言い出すと公的な事業の多くが進まなくなってしまいます。物凄くマイナーな競技人口の少ないスポーツの為に何かしようとしているならともかく、ですが…。
私はもう一つの県北に住んでいる人には…という理由の方が興味深く感じました。
大前提として、岡山県は新スタジアムに関しては何のアクションも取っていないので、現時点で県北に住んでいる人には関係がないというのはフライングの意見ではあります。
今の時点で県が何かをする予定は無いので、そもそも候補地がありません。
ただこの提言者の方はサッカースタジアムを県が作るのはおかしいとか、ファジアーノが作るべきだという事は触れていないんですね。利益を受ける人が偏っている事が反対の理由なのだと思います。
例えば候補地を県北にするなら、スタジアムもアリという考え方になる可能性はありそうです。
個人的にこれは面白い意見だと思います。
J1 に昇格した初年度ということもあるかもしれませんが、フットボールチャンネル調べによると、ファジアーノの2025年のホームゲームによる平均入場者数は1万4,587人です。
これはJ1の20チーム中15位の成績で、今後J1で定着し人気が上がっていけばまだ増える事も期待できそうです。
この人数を県北に引っ張っていけるなら、県としても県南と県北の格差を埋める事業として十分な大義になります。もちろん県北部も十分に潤います。
もちろん新幹線駅からの遠さなどの問題は生じますが、議論としては面白いと思います。
そもそも県の税金でやるなら、スタート時点では全ての市町村が候補であるべきです。例えば我が玉野も新幹線駅の岡山から1時間かからず到着できます。
集客力のあるサッカースタジアムを誘致できるなら、駅周辺の土地をごそっとスタジアムにしたっていいじゃないか!笑
「県北に!」「玉野に!」というのは、現時点では極論に近いかもしれません。
しかし、中央市街地の過密を避け、郊外や地方の活性化に繋げるという視点は、多くの県民が「納得できる形」を見出すための重要な鍵になるはずです。
賛成の声も、反対の声も、すべては「より良い岡山」を願う気持ちから。今回の提言をきっかけに、さらに多角的な議論が巻き起こることを期待しています。

