赤字路線の存廃めぐり「もの言う株主」に 岡山・真庭がJR株取得へ(https://www.asahi.com/articles/ASRCX6GZBRCXPPZB003.html?iref=pc_ss_date_article)
岡山県真庭市の太田昇市長は28日、来年度に市がJR西日本の株式を取得する方針を表明した。
取得価額は「億単位」を想定しているとしている。
真庭市がJR株を取得?
岡山県内でも芸備線の赤字路線の存続に関する議論が続いていますが、今回はそこまでの話しには至っていないものの赤字路線を抱える真庭市のニュースです。
真庭市長はJRの株式の取得の方針を表明。モノ言う株主として地方交通に関する議論に発言していける立場づくりに着手するようです。
芸備線の議論においては県や市とJRという立場です。公共性の高い議論なのでパワーバランスという表現は正しくないかもしれませんが、路線を運営するJRの方針に対して、自治体側が懇願するような立ち位置になります。
それが株主という新たな立場になる事で、ある程度は対等な立場からの議論が進められる…というのが、真庭市長の考えですね。
もちろん取得する株も億単位と、意見を言うだけのお金は出すというスタンスです。
JR西日本の株価はコロナ禍以降、回復基調にあるものの未だに2020年以前からすると低調に推移しています。
今なら取得もしやすいですし、今後は株価が戻っていくであろうことを考えると投資としても決して悪くないでしょう。
でも、株主になって物を言えるの?
個人的には存廃議論の為に株主になるなら、それはちょっと違うのではないかと思います。
例えば記事中にあるICOCAの導入程度の事なら意見しやすくなると思います。
しかし株主になって赤字路線でも廃止にするのはダメだ!というような意見を言いたいのであれば、それは他の株主の利益にも関わってきます。
赤字路線を地方の為に!と継続するのは会社の評価という意味での株は上がるでしょうが、実際の株価にいい影響を与えるとは思いません。廃止の議論が出る程の赤字路線なら、それを廃止する方が好ましいです。その分、自分たちへの配当金になりますし。
なので多くいる株主の中で真庭市だけが自分たちの為になる事を主張して、余り効果があるとは思いません。33.4%とか、50%とか一定以上の発言権を持てるまで取得しないと、貫き通すのは難しいのではないでしょうか。
それに株を取得するのは市の税金です。それなら市としても株価が上がるように振る舞うべきという意見もあるはずです。
寧ろ株を取得する事で、JRに対して赤字路線を無くさないで!とは言いづらくなってしまうのではないのか。そんな風に考えました。