先日、美作倉敷を訪ねてきました。
美作市林野の辺りを指す地名で、かつては倉敷の地名を名乗っていました。
しかし倉敷市の倉敷と混同され配送ミスなどが多発した為、美作の方の倉敷が地名を変更しました。
美作倉敷というのは倉敷市との呼び分けの為の呼称で、倉敷市の方を備中倉敷とも呼びました。
そんな伝統的な地区ですが、町としての賑わいは吉野川を挟んだ入野の方に移っています。
その為か食事をするところが見当たりません。コンビニ類もないのでどうしよう…と思っていると、こんなお店を見つけました。
「お好み焼き ぼくんち」です。
平成レトロな雰囲気のお店です。営業中の看板が出ているので喜んで入店します。
店内はこのような感じです。
外から見ると小さなお店に見えましたが、写真のカウンター席の他にボックス席もあり、20人くらいは入れます。
お昼の時間帯は過ぎていたので店内は私だけです。
という事でボックス席の方に案内されると、「ホルモンうどん」の文字が。
ホルモンうどんと言えば津山市のイメージがありますが、本来は岡山県では美作地方で食べられてきたメニューです。
ここ美作も本場なのです。
じゃーん。
ホルモンうどんはホルモン焼うどんとも呼ばれる焼うどんで、ホルモンを具材に用いている事が特徴です。
ぼくんちのホルモンうどんにも850円では安すぎる程のホルモンが投入されています。
出来立てホカホカ。超美味かった!
美作倉敷に観光で訪れる人は珍しいらしく、玉野市から訪れたことを伝えると色々なお話を聞かせてくれました。
お店の奥様は元々は美作倉敷の人ではなく、旧中国銀行林野支店が現在地へ移転した頃に移住してきたそうです。資料によると移転は1984年です。
その頃には前述のように美作倉敷の賑わいは西の入野の方に移りつつあったそうです。
地の人ではないにしても、美作倉敷の現状には快くない感情を抱いているようです。
これは私も同感です。古い町並みが保全されないまま徐々に傷み、ところどころに近代的な建物が挟まれています。
地区を観光に活かす方向性もあったのではないかとは思います。
美作市には湯郷温泉があります。なんとなくですが、観光は圧倒的な強さを持つ湯郷温泉があればいいという感覚はあるのではないでしょうか。
市としては成功するかどうかが不透明な事に力を入れるよりは、温泉を中心としたスタンスを採るのは当然でしょう。
風雅な街並みを眺めながら、多少の歯がゆさを感じました。