岡山市東区瀬戸町を散策していて、次はどこに行こうかと地図を見ていると興味深い名前を見つけました。

その名も「阿保田神社」。
アホだ…!?これは見に行かざるをえまい…という事でお参りしてきました。

 


これが阿保田神社です。
岡山県神社庁のサイトによると、読み方は正しくはアボタのようです。
なんとなく出来るだけアホダから遠ざける為に濁点を割り振ったようにも思えますね。

神社の起源は万富で東大寺大仏殿再建の際の瓦を焼くことが決まった事にあります。
この時に工事の安全と良質な瓦が出来る事を祈って東大寺の守護神である手向山八幡宮を勧請しました。
これが阿保田神社です。工事の指令所としても当地が用いられていたと考えられています。

名前の由来は瓦を焼いた場所の地名が太田であったことから、あおた、おおたという連想から阿保田が生じたとされています。(以上、現地案内板より)

wikipediaを開いてみるとアホウという言葉の日本での歴史に関しては書物で確認できる最古が13世紀、伝来したとされるのが15~16世紀に行われた日明貿易です。
東大寺大仏殿の再建は鎌倉時代、河原を製造していた跡とされる「万富東大寺瓦窯跡」は鎌倉時代初期に稼働していたと考えられているので、この阿保田の文字を当てた時点では阿保という言葉にネガティブな意味が無かったのでしょう。

閑話休題。


狛犬は立派な備前焼の物です。
備前焼の狛犬は前足の途中が破損している物が多いのですが、こちらに関しては見事な状態が保たれています。

足元にどんぐりがお供えされています。
その下にある紀元二千六百年は1940年の神武天皇即位から2600年を指しており、日本全国で様々な記念行事が行われました。
恐らくこの狛犬もその時に設置されたものなのでしょう。そう考えるとまだ百年も経っていないものになり、狛犬としては比較的新しい部類と言っても良いでしょう。
綺麗な状態なのはその為なのかもしれません。


拝殿の中の様子はこのような感じです。
訪問時期が12月なので七五三の幟を洗って干しているところだったようです。

中は綺麗に整えられており、よく管理されている事が分かります。


本殿はコンクリート造のモダンな建造物です。
拝殿が普通の木造なので、建造時期が異なるようです。
この辺りに関する情報は現地の案内板にも、岡山神社庁のサイトにも特に掲載はありませんでした。

名前は今でこそ突飛に感じるものですが、神社として特に妙なところはなく、寧ろよく管理された良い神社でした。
皆さんも近くを通る際は小ネタにもなりますし、ぜひお参りしてみて下さいね。




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