以前、倉敷の水島の飲み屋が入居する雑居ビルを紹介した事があります。
その時の内容がこちら。
訪問時点で既にビルで営業するお店は無く、建物も傷みが目立ち廃墟と呼んで差し支えない状況でした。
幾つかのお店の跡では窓が割れていて内部が見えていたので、そこから店内の様子を撮影して平成初期くらい?と思われるようなインテリアを紹介しました。
そしてこの記事から少し経って、競売のサイトでこの建物が売りに出されていました。
少し建物の様子を紹介していくので、タイトルにある本題が気になる人はこの部分はすっ飛ばして下さい。
2022年の2月に競売に出ており、結果として落札されています。
この時に公開された写真によると、建物内部は外から見た以上に傷みが激しくリフォームなどで使えるような状態ではありません。
価格設定もかなり低く、小さな飲み屋なら20店舗くらい入居できるような建物ながら見積金額は18万円とかなり安いです。その代わりに更地にする費用を負担して下さいという事なのでしょう。
実際にこの建物は競売後に取り壊されて更地になりました。
当時の競売サイトの三点セットで公開されていた写真がこちら。
在りし日の建物(三点セットより)
建物の外見はこのような感じでした。
一階の部分はツタでかなりの部分が覆われていて、ここまで古い建物だとは気づきませんでした。
一階部分は窓1つのスペースに対して一つのテナントになっています。
上の部分も同じような構造だとすると、20店舗くらいが入居できるようになっていたのでしょう。
建物内部の様子(三点セットより)
御覧の通り壁や天井の一部が剥がれており、それらの建材があちこちに放置されています。
室内の様子(三点セットより)
部屋によってはこのような状態です。
更に台やテーブル、そして椅子なども数多く残されています。
…で、だ。
この記事を書いたのが2022年だったわけですが、競売の期間も終わり建物自体も取り壊されてしまった後はこの記事のアクセスは低迷していました。他の記事を読んだ人がタグから辿り着く程度です。
それが先日、急にアクセスが増える事がありました。何だろう?と思ってXを検索してみると、答えがすぐに見つかりました。
11月26日付の官報より
行旅死亡人は身元不明の遺体を指す言葉です。
上の画像のように官報へ掲載したり、自治体によっては公式サイトなどで情報を流す事で親族などを探します。
ここまで書けば分かると思いますが、この発見地である倉敷市水島東常盤町11番21号というのは、私が訪問した雑居ビルの事なのです。
三点セットの中には最初に紹介した記事内に登場するスナック跡の写真も掲載されていました。
私が割れている窓から写真を撮ったのは当然1階、そして白骨化した遺体が発見されたのも1階です。
そして白骨の状態から死後5年以上と推測されます。遺体は頭蓋骨の下に衣類があり、その衣類の中に白骨が続いていたようなのでここで死亡してそのまま白骨化していったのでしょう。…となると、私の訪問時には既に遺体があった事になります。
あわや遺体の第一発見者になるところでした。ひえー。
ちなみに競売の際には撮影をする人が派遣され、内部の写真を記録して帰ります。しかし競売後に発見されたので、その時には発見されなかった事になります。
先に書いた通り建物の中はかなりの量の残留物があり、その上に壁や天井が崩れた残骸なども放置されていました。恐らくそれらに紛れて見つけられなかったのだと思います。
タイミング的に取り壊しの工事の際に見つかったのでしょう。
購入した人が18万円+取り壊し費用を安く感じたか、高く感じたか…、教えて欲しいですね(笑)