岡山県の公式サイトで「県政への提言」というコンテンツがあります。
これは県民から寄せられた県政への要望などの意見の内、幾つかを回答付きで掲載しているものです。
今回は令和5年8月分を読んでみましょう。
ほっとパーキングおかやまの利用期間について
〇ほっとパーキングおかやまについて、お願いがある。
多胎児妊娠は妊娠初期から切迫流産や早産、そのほかの合併症のリスクが高く、お腹が大きくなるのも単体児に比べて早いので母体の負担が大きい。そのため40週まで妊娠継続せず、37週前後で出産を迎えることがほとんどだ。
また、多胎児用のベビーカーは単体の倍くらい大きく、ほっとパーキング以外に停めることになると、目的地から離れた隣に停まっていない場所を探して駐車し、目的地まで遠回りして駐車場を移動することになる。
さらに、多胎児の家族は子どもの安全のため3歳近くまでベビーカーを利用することが多かったり、チャイルドシートの位置の関係で車の両側のドアを行ったり来たりしながら乗せ降ろしすることになる。
ほっとパーキングの利用が単体児と同じ妊娠7か月から1歳までとなっているが、多胎児家庭への妊娠初期からの利用開始、期間の延長をお願いしたい。
⇒現状、ほっとパーキングおかやまの妊産婦の方の利用期間を、妊娠7ヶ月から産後1年までとしているところですが、この利用期間が適切かどうか、様々なご意見を踏まえて検討したいと考えております。
まずほっとパーキングおかやまとは何ぞや?というところから。
これは岡山県独自の取り組みで、車いすマークのある駐車場の適正利用を目指す制度です。
障害、病気、高齢、妊娠などで歩行が困難な状態にある人に利用証を交付して、優先的に使用できるようにします。
今回の提言にある妊婦は利用期限のある赤の利用証が交付され、その期間は「妊娠7ヶ月~産後1年」とされています。
これが県のサイトから盗用してきた実際のカードのサンプル画像です。
この有効期間を多胎児(双子や三つ子など)の親に対して期間の延長をというのが、今回の提言です。
確かに多胎児だと一人を妊娠している方よりも負担が大きく、その後の子育ての負担も大きいので利用期間を早める事と延長を…というのは、意外な盲点だったのかもしれません。ネットで見ると多胎児の割合は1%前後くらいで推移しているらしく、制度の制定に多胎児がどれくらい想定されていたのかは疑問があります。
ただ多胎児の場合は…という限定的な延長要件というのはどうなのでしょう。県の回答からしても、妊娠による利用証の有効期間全体の延長の有無で考えているようです。
個人的には7か月からというのは、意外とギリギリまで交付されないんだなと思いました。
新アリーナ建設について
〇岡山市が新しい競技場を岡山ドーム近くに建設したいと言っているが、財源も限られているので、既存の競技場を活用すれば良い話だと思う。岡山県が費用を負担するのは筋が違うのではないかと感じた。
その予算があれば防災対策や福祉の充実に使えるだろうし、老朽化した公共施設や水道設備の補修も可能だと思う。いわゆる箱物を作っても費用対効果が少ないならば岡山県は建設費の負担を断る必要がある。
もちろん協力できるところは協力したり、定期的に話し合う場があると理想的だ。⇒新アリーナ構想につきましては、岡山市との間で意思疎通を図りながら、今後の対応について検討してまいりたいと存じます。
ローカルニュースでも再々取り上げられている岡山市が計画する新アリーナへの県の費用負担の話題です。
「県政への提言」で取り上げられるのは、確かこれが2度目だと思います。3月にもこの話題が取り上げられ、否定的な提言に対して「提言いただいた新アリーナ構想の件についてですが、県としては、まずは担当者間で岡山市から構想の中身について十分確認を行った上で、今後の対応について検討してまいりたいと存じます。」と回答しています。
約半年が経過したわけですが、回答はほぼ同じ。進展なしの状態が続いています。少し前に県が市と対話をする旨の発言をしていたので、そろそろ動きはありそうですが…。
個人的には県がお金を出すのであれば、他の市町村にもチャンスをと思います。
経済効果やアクセスの面で岡山市か、今回は名前が挙がっていませんが倉敷市となるのは分かりますが、県のお金ですから。
手を挙げる機会はあってしかるべきではないでしょうか。
という事で今回の提言はこの二つでした。