今年の夏はずっと新見市の井倉洞関連の話題を挙げていましたが、今回は周辺の街並みから。

井倉洞の西川を通る旧新見往来には住宅と商店が立ち並んでいます。
観光客が一定数いる為か、現在でも営業しているお店や商店跡も含めると往時はかなり栄えていたであろう事が想像できます。
井倉洞へ進む道のすぐそばにこのような建物があります。

井倉診療所という病院です。新見市が運営する公立の診療所です。
昔の映画に出てきそうなレトロなたたずまいです。
草が目立つ駐車場の様子から廃業しているのかと思ったのですが、どうやら廃止になっているわけではないようです。
というのも岡山県や岡山済生会総合病院のサイトで公開されている「僻地診療所」の項目に、井倉診療所が現在も掲載されているのです。
それにしては人の気配もないぞ…?と思って更に調べたところ、2012年の新見市の広報誌で医師の確保が出来ずに2006年から休業状態にあった事と、2012年から週に2日、午後の診断で再開することが記載されていました。
診療に当たるのは同じ新見市の松尾医院の医師…という事でしたが、どうやらこの医院も現在は閉業しているようです。

以前に紹介したレトロなたたずまいが魅力的なヒトミ美容院の建物がありますが、その奥の電柱のそばに何も書いていない看板があるのが分かるでしょうか?
実はここが松尾医院で、営業していた頃は色くなっている部分に「松尾医院」と書いてありました。時期は不明ですが、2014年のストリートビューで営業中、次に情報が刷新された2019年時点で看板の文字が消えています。この間で閉業してしまったようです。
井倉診療所は松尾医院の閉鎖をもって再び休止状態に陥って現在に至ります。
令和4年末に新見市がまとめた「新見市公共施設機能再配置計画」では利用休止中である事が記載されています。
そして施設の今後については「廃止」の方針が定められています。

この廃止の方針が本決まりになっていない為に、先に挙げたような県や済生会のサイトに名前が残っているというのが現状のようです。
井倉は僻地とはいえ新見市街地への距離でいえばメチャクチャ遠いというわけではありません。例えばある程度の規模の病院となると新見中央病院辺りが最寄りになるのではないかと思いますが、車を飛ばせば20分前後くらいです。
周辺の人口も多いとは言えませんし、廃止やむなしか…と思います。
ちなみに同資料に診療所の建築がいつなのか掲載されていましたが、1976年のようです。来年で50年です。アニバーサルイヤーではありますが、公共施設では建て替え、利用停止などの基準になることが多い節目の年でもあります。そろそろ何かしらの決定がなされる可能性はあるかもしれません。注目しましょう。
