少し前にサイトの資料として「日本怪奇名所案内」という、全国の心霊スポットを紹介する本を購入しました。
1976年出版の本ですが、せっかく購入したので幾つかスポットを紹介してみたいと思います。
今回からは個人宅を舞台にしたお化け屋敷編。
生首が語り合う物置小屋(秋田県)
秋田市の呉服商店の貸家の怪談。
その家を最初に借りた親子と娘三人の一家はすすり泣くようなうめき声を耳にします。
ある日、娘は声を辿って物置小屋に行ってしまいました。
彼女はそこで5つの生首を見てしまい、ノイローゼになってしまいました。
そして土砂降りの夜。
娘はその物置小屋で耳と口から血を噴き出して亡くなっていたそうです。
その後もそこに入居者が有ると、変死者が出ました。
郷土史家がその家を調べると、かつて刑場があった土地だったことがわかったそうです。
この場所については新屋町であるということ以外の情報はありません。本が古いのでさすがに現存はしていないと思いますが、2003年時点でネット掲示板に行ったことがあるという人の書き込みはありました。
住人が半年と居つかぬ西洋館(東京都)
東京都新宿区の西洋館での怪談。
この館では男に危害を加える幽霊が出ます。
カップルの男性が被害にあったという女性の証言によると、男性が怯えている心霊現象が女性には見えなかったのだとか。
この家には戦後間もなくに金貸しの老人と女性が住んでいました。
そして手伝いの少女がいたのですが、その少女が謎の死を遂げました。周囲では金貸しの男性に乱暴されて自殺したのではないかと言われていました。
そして程なくして老人は行方不明、残された女性も精神を病んで行方不明になったのだとか。
男を恨む霊…というのなら、話の辻褄が合うようですが…。
場所は新宿区の谷田町と谷砂土原町の境界線上だそうです。
この件については地図が細かく、場所の特定もしやすいです。
しかしご覧の通りに開発が進んでおり、残念ながら西洋館は現存していないようです。ネット上の噂でもこの件は見られませんでした。
高級マンションが月一万円!(東京都)
続いては東京都港区の怪談です。
六本木の一等地のマンションですが、その家賃がどんどん下がって月1万円になったというのです。
これを聞いた著者の知人が試しに住んでやろうとマンションを借りましたが、なんと一晩で逃げ出したそうです。
実はこの部屋は昭和42年5月にバラバラ殺人が起こっており、部屋では女性のすすり泣きや、事件の起きた木曜日にお風呂場から真っ赤な水が出るという怪現象が起きているようです。
その頻度があまりにもた高いために家賃が下がったのです。
…この話を聞いて思い出したのが銀座マダムAバラバラ殺人事件です。
山崎美智代というバーの経営者が、資金を借りていた金貸しとトラブルになり殺されたという事件です。バラバラにしたのが浴室という点も怪奇現象と重なります。
発生した月がこの本では5月、実際の事件は11月と異なりますが、そうそう同じ職業の女性のバラバラ殺人が起きるとは思えません。カモフラージュしたのかもしれませんね。
凄惨で認知度の高い事故物件で家賃がどのように推移するのかの一例と言えそうです。
エクソシスト風マンション(東京都)
今回も港区の事例です。
この話を著者にしたのは声優やラジオパーソナリティとして活躍した白石冬美さんです。
隣に住んでいる姉妹が「これ以上住んでいられない」と引っ越しの挨拶に来ました。
そして事情を聞くと、三ヶ月ほど前から寝ていると布団の中を冷たい手のようなものが身体を撫で回す、レコードが勝手に動き出すという怪現象が続いていたそうです。
ちなみに男の人を連れてくると何も起こらないのだとか。
たちの悪い女好きを「死んでも治らない」と揶揄する事がありますが、ここの霊はまさに死んでも女好きが治らなかったのかもしれませんね。
…と、長くなってきたので今回はここまで。
話数の関係で4話を紹介しました。この話数でもう2記事を書く予定です。
もしよければお付き合いください。
この本の他のスポットについてはタグの「日本怪奇名所案内」をご確認下さい。