証言者・石川清の功績|津山事件の真実を追う責任

津山事件の調査における「真実の灯」が消えました。
公的資料である「津山事件報告書」に基づき、真摯に事件の真相を追究し続けたジャーナリスト、石川清氏が2022年6月に急逝されました。

石川 清とは

少し前からこのブログで津山事件について扱い始めています。
サイトのコンテンツである「津山事件を学ぶ」を作成する際に、本編に組み込むことがなかった情報や、憶測などが強い内容、そして都井睦夫はイケメンだったのかどうか…などの、ちょっとした小ネタなどがあったので、それらをブログで小出しにしています。

そうした情報の参考資料となっているのが、津山事件についての公的な資料である「津山事件報告書」です。
事件の公的な記録であり、内容は非常に詳細です。しかし過去にはこれが閲覧しにくかった時代もあり、その際に参考資料とされていたのが筑波 昭による「津山三十人殺し」でした。
しかしこの著書は事実に基づかない憶測が少なからず織り交ぜられているとされ、事実、この本以外では出てこないエピソードもあります。しかし資料の少なさから、そうした内容が事実として広まっていたのです。

そんな状況を変えたのが石川 清 氏です。
津山事件報告書に基づいた内容を発表するようになった先駆け的な存在です。

お亡くなりになっていた

津山事件に関するいくつかの著書を出しており、誰もが認める「津山事件に最も詳しい人物」でした。
私も津山三十人殺し 七十六年目の真実という本を電子書籍で読んだことがあります。

そんな彼が最近になって「津山三十人殺し 最終報告書」という本を刊行しました。
2011年に「津山三十人殺し 最後の真相」、そして2014年に前述の「津山三十人殺し 七十六年目の真実」を出しており、久しぶりの著書ですが、個人的には「また”最後”か」と、タイトルだけを見て特に手に取ったりはせずにいました。既に関係者が亡くなっており、新しい本が出るほどの情報があるとは思えなかったのです。

しかし別の津山事件に関する記事の中で石川 清さんが亡くなっていた事を知りました。
「最後の真相」という言葉は、遺作である事を示していたのです。ちなみにこの本は先に出ていた二冊を一冊にまとめるというコンセプトに基づき再編が進められていたものです。なので純然たる新作ではない事には気を付けてください。
価格もわりと高いので、先の二冊を読んでいる人は購入するかどうかサンプルの目次を見て決めるのがお勧めです。

尚、その死因などについてはこの本の冒頭で2022年6月に急逝した事が触れられている事以外は分かりませんでした。
ただ書き方からして病に臥していて亡くなられたというわけではなく、本当に急な死だったような印象を受けました。

いずれにしても津山事件について詳しく調べていて、発信力のある石川さんの死は、再び津山事件がチープな都市伝説にまみれてしまう事にも繋がりかねません。私も含めて、津山事件について発表する人は、その責任をしっかり自覚して、正確な内容をアウトプットしていくことが重要になると言えそうです。

石川 清さんについて思い返す

津山事件についての活動の前半に関しては、公的な資料や事実に基づいて非常に鋭い論者であったと言えます。
きちんと公的な書類を読み込み、現地取材を行ったうえで、当時の津山事件の定番資料であった筑波 昭氏の資料の怪しい点を指摘していました。
例えば都井睦夫が小説を書いて、近所の子供に読み聞かせをしていた事、阿部定事件が津山事件の発生に関与している可能性…など、現在では触れられることがなくなりましたが、これらについては石川さんの功績と言って差し支えないでしょう。

ただ、晩年に差し掛かってくると自らの建てた推論の上に更に推論を重ねるような論調が目立つようになってきました。
何の根拠もなく推論を重ねるような方ではないので、恐らく今後の執筆活動の中で出るはずだった新作の中で、それらの推論が解決される予定だったのでしょう。重ね重ね急逝が悔やまれます。
いつの日にか、かつての石川さんが筑波氏を論破したように、石川さんが残した推論を実証、論破するような、新しい世代のジャーナリストが登場する事を期待したいと思います。

私自身も津山事件の発信者の端くれとして、石川清氏の功績に感謝を捧げると共に、彼が追究し続けた「真実」という名のバトンを、しっかりと受け継いでいきたいと思います。




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Okayamania

Okayamania

岡山生まれ、在住歴=人生。興味がある場所は歩いて見に行く「まち歩き」実践者。 郷土史だけでなく、地域グルメの歴史や廃線跡などの隠れた観光スポットを特に深掘りして発信。現在から過去まで網羅する岡山の情報サイト。 サイト開始:2002年~。25年以上の運営実績。
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