瓦礫に消えた子供たちの影|「キューピーの館」跡地の今
かつて岡山県内で「由加山お札の家」と人気を二分した心霊スポットに、「キューピーの館」という場所がありました。
放置された小さなお堂にたくさんの子供の人形が吊り下げられている…という場所で、その様子からキューピーの館と呼ばれるようになりました。尚、子供の人形=キューピー人形という連想になっているだけで、元々のキューピーの館にはキューピー人形はありませんでした。
ただ何かと物騒な噂がのあったお札の家に対して、こちらは雰囲気が不気味というだけで、いわゆる肝試し的な場所といった方がよさそうです。
それも今は昔。YouTubeなどの動画サイトの隆盛と共に訪れる人々が増加、元々風雨にさらされ状態が良いとは言えなかった建物は加速度的に傷みが目立つようになり、2023年には完全に倒壊して今いました。
今回はその建物の跡を見てきました。
尚、訪問は2月、まだ草が生い茂る前の時期の事です。
建物の残骸が見て取れる、この場所がキューピーの館があった場所です。
もうさすがに訪れる人も少なくなったのか、人が立ち入ったような気配は感じられなくなっていました。
ちなみに左側に見える看板は三光天王の祠へつながる鳥居に合ったものです。
何故かこちらに移動していました。近年になってキューピーの館と三光天王を結び付けて考えるような説が増えたのは、看板がこの位置にあるからかもしれません。
誰がどういう意図で移したのかは不明ですが、ここは元々の場所ではありません。

完全に建物が潰れてしまっています。
ここに吊るされていた人形に関しては、建物の倒壊より少し前に供養されて失われています。
心霊スポットとして余りに加熱してしまった為、近所の住民がそれを抑える目的で最上稲荷で供養してもらったそうです。
何故かその後も人形がないと絵にならないとばかりに人形を持ち込んだ輩がいましたが、今回の訪問ではそれらしい残骸さえも見つけることは出来ませんでした。
倒壊から3年、ようやくキューピーの館に静寂が訪れたようです。

これは人形の衣服の残骸でしょうか。
ところで建物があった頃は私のサイトでも場所について全く触れていなかったのですが、もうこのような状態の場所を訪れる人もいないと思うのでネタバレします。
ここは実は、最上稲荷から徒歩十数分とか、それくらいの場所に位置します。
写真的に山奥にある…という感じがするかもしれませんが、かなり近くまで住宅があり、寂しい山の中を歩かなければならない…というのは、ものの数分程度という場所です。
最上稲荷の麓にある鳥居のそばに、「ジャンボパーキング」という有料駐車場があります。そこからまっすぐ東に進むとキューピーの館です。
実は意外と人里離れて…いないんですよね。
これって有名になる心霊スポットの条件としてはあるあるで、苦労してまで行く人って意外と少ないんだと思います。
私もまだ学生の頃、車を購入した先輩に連れられて遊びに来たことがあります。
その頃はまだ建物もしっかりしていて、ミステリアスな雰囲気が漂っていました。
それと同時に、行儀もよかったと思います。行ってしまえば不法侵入なんだと思いますが、むやみに触れないとか、不必要に建物に上がらないとか。
物も大きく動かすようなことはしませんでした。それが心霊スポット探訪の不文律、みたいな。
それがいつしかSNSでの受けを重視するような時代になり、どんどん過激になり。そして消費し尽くして、この残骸が残されているのでしょう。
難しい時代になったなと、崩れてしまったキューピーの館に語り掛けながら帰りました。



