【瀬戸芸2025】宇野港エリア「一人負け」38%減の真相。数字のカラクリと浮き彫りになった課題

年々、存在感を増す瀬戸内国際芸術祭。
2025年に実施された岡山、香川両県の島々や沿岸部の17会場での入場者は2019年の過去記録に迫る108万人となりました。
それぞれの会場で軒並み好調な数字が発表される中、玉野市の宇野港が一人負け…という数字になりました。

玉野市・宇野港エリア2万1944人(同38%減) (瀬戸内国際芸術祭2025実行委員会発表)

…マイナス38%

宇野港からの訪問者が多い直島会場が103%増を記録する中、何をどうすればこんな数字が叩き出せるのかと不思議に思った人も多い事でしょう。
実はこれには明確な理由があります。

今回の計算から人数をカウントするための基準となる施設の変更(基準施設)が行われたのです。
これについては瀬戸内国際芸術祭の公式資料でも触れられているので引用します。

 

宇野港エリアは、過去においては、来場者のカウントが可能な屋内有料施設等
がなかった又は適当な位置になかったため、屋外無料作品を基準施設に設定していました。
今回は入場者のカウントが可能な屋内有料施設等があることから、これを基準施設としており、
これまでと条件が異なりますので、ご留意ください。
(引用:瀬戸内国際芸術祭 2025 夏会期の来場者数について 瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局)

これまでの数字が屋外にある無料施設だったのが、今回から屋内の有料施設に変わりました。
これは瀬戸芸の事務局が玉野に意地悪をしたわけではなく、基本がそうだったのです。例えば直島なら「ANDO MUSEUM」、犬島なら「犬島精錬所美術館」といった施設が採用されていますが、宇野港の場合は数をカウントするのに適当な屋内有料施設がなかった為に無料施設でカウントしていたのです。
例えば2019年の会期の際の基準施設は「終点の先へ」。これは宇野駅前に設置されている鉄くずを再生して作られた自転車の事です。多くの人が宇野駅から直島を目指し、その途中で宇野港を散策するわけですから、これが多くカウントされるのは当然です。

なので他の会場と同じ条件で測定したら、それくらいだったという事で、別に宇野港が意図的に行っていたわけではありませんが、これまでの数字が水増しというか、多くなるような設定になっていたのを他と合わされた事になります。そしたらたくさん人が来たけど宇野港は-38%を記録した、と。

なので数字が落ちているからと言って、今年の宇野港に訪れる人が減ったというわけではありません。
単に元々宇野港で有料施設を利用するお客さんはそれくらいだったというだけです。
ただこれに関しては考慮が必要な事もあります。例えばコロナウィルスの影響がまだ残っていて72万人強の来場者にとどまった2022年の瀬戸芸。この時の宇野港のカウントが約3万5千人。過去最高の数字を記録した2019年の時が約4万7千人です。
今回の数字が約2万2千人です。来場者数が少なかった前回と比べるから-38%なのであって、今回と同じく100万人を超えた2019年と比べると半減です。
これまで瀬戸芸の客に何とか宇野港を見てもらおうと、様々な取り組みが行われてきました。しかし宇野港でお金を落としてまで瀬戸芸を楽しもうという人が半分しかいないという数字が出たわけで、これまで同様の予算で取り組んでいくべきなのかどうか。その点については考慮する必要があるのかもしれません。




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