少し前にサイトの資料として「日本怪奇名所案内」という、全国の心霊スポットを紹介する本を購入しました。
1976年出版の本ですが、せっかく購入したので幾つかスポットを紹介してみたいと思います。
今回は祟られた場所の3回目です。
死神の声と姿がはっきりと!(東京都)
中村四郎という方の怪談。
「いつも亡霊を背負って生きている不思議な人」らしいですが、検索した限りではヒット無しなので有名な人というわけではないようです。
この人は東京の各地で死神の姿を確認したそうです。
・叔父を迎えに来た死神
叔母が体験した怪談です。
駒込病院で胃がんの為に死を待つばかりの状態になっていた夫。
付き添っていた叔母はその部屋の換気窓から女が覗く姿を見たそうです。声をかけるとその姿は消えてしまいました。
翌日に叔父が亡くなり、あれが死神だったのかと思ったそうです。
尚、駒込病院は現在もありますが、この話は1958年のことで現在の建物とは異なります。
・勘弁してくれた死神
続いては中村さん自身の体験談です。
胃潰瘍の手術を受けたものの予後が良くなく、生死の境をさまようような状態が続いていたそうです。
夜中に目を覚ますと白髪の老婆が廊下からすっーっと入ってきて、枕元に立つのだそうです。
これが3日も続き、相手が死神だと悟った中村さんはまだ幼い子供がいるから許してほしいと願い続けたそうです。
すると老婆は消えていったのだとか。
・ラッシュアワーの死神
続いては中央線で朝の通勤ラッシュの電車に乗っていた…という変わったシチュエーションでの出来事です。
四谷のトンネルに入ると、吊り輪を持って立っている著者の前にいる男性の顔が骸骨に変わっていました。
これが何度か続くので、この人は死神に憑かれているのだと気付いたそうです。
・自殺者の死神
中村さんが電車に乗っている時に、女性が飛び込んで自殺をしました。
この時に遺体を見て、成仏するように手を合わせて拝んだそうです。
その後、この女性に取り憑かれ、執拗に死ぬように誘われ、マインドコントロールされたような状態に陥って危うく自殺をしてしまいそうになったのだとか。
以上のエピソードが紹介されています。
かなり端折っているので、詳細が気になる方は実際に読んでみて下さい。
しかし興味深いのは紹介されている死神4件の内、3件が女性であること。
そして白髪の老婆と、中村さんを死に誘った女性はどちらも普通の人間が亡くなった幽霊なのです。
4件だけの話で統計には出来ませんが、死神というのは普通の人が死んで生者を死に誘うような存在で、女性がなりやすい…という事なのでしょうか。
四国・徳島県大歩危の犬神(徳島県)
徳島県の景勝地、大歩危での怪談です。
犬神は犬に憑かれる現象を指します。
要は狐憑きの犬バージョンです。四国は狐の生息数が少ないので犬で語られるようになったとも言われています。
更に犬神使いという人物の存在も伝えられているそうです。
人が犬を操り、相手を犬神にしてしまうのだとか。
…ただ、著者はわざわざ大歩危のそば屋にまで取材に行っているようですが、大歩危についての犬神が多いとか、犬神使いがいたとか、そういう記載は全くありませんでした。
観光ついでにインタビューでもしてきたのかもしれませんね。
松戸の人間蒸発地帯の謎(千葉県)
松戸市で大勢の人間が蒸発したようなタイトルですが、筆者の知り合いの妹と弟の2人が行方不明になったという話です。
年齢はそれぞれ40才と37才で、先に行方不明になったのは妹。それから5年後に弟も姿を消しました。
この事件は本文中で25年前、20年前である事が記されています。
つまり妹が1951年、弟が1956年。古い神隠しの話題を読むと北朝鮮による拉致の可能性を考えてしまいますが、1950年代だと時期が異なります。
著者は「松戸のどこかにミステリー・ゾーンがあるらしい」と書きますが、姉弟2人だけの行方不明ではちょっと大げさかもしれませんね。
…と、長くなってきたので今回はここまで。
祟られた場所編は今回で終了、次は心霊写真のスポットである「幽霊の写る所」編を読んでいきます。
この本の他のスポットについてはタグの「日本怪奇名所案内」をご確認下さい。