夢の架け橋が形になるまで|建設中の瀬戸大橋「オレンジカード」を振り返る
先日、非常に懐かしいものを入手しました。JR西日本が発行した「オレンジカード」。それも、1980年代後半に撮影された「建設中の瀬戸大橋シリーズ」です。
現在の完成された姿とは違う、未完成ゆえの美しさと迫力が詰まった一枚を詳しく見ていきましょう。
JR西日本のオレンジカードで、建造中の瀬戸大橋シリーズです。
1. 1987年(昭和62年)6月の「現在地」
カードに記された日付は「62.6」。つまり、1988年(昭和63年)4月の開通まで1年を切った、まさに工事の佳境の時期です。
写真の中の瀬戸大橋には、今では見ることのできない貴重な姿が収められています。
塔の上の巨大クレーン:主塔の頂上には、吊橋のケーブルを張り、鋼材を吊り上げるためのクレーンが誇らしげに立っています。
未舗装の橋桁:現在はアスファルトで覆われている道路部分も、当時はまだむき出しの状態。橋の「骨組み」としての力強さが際立っています。
もうすでにこの時期には周辺は橋を見る為に訪れる観光客でにぎわっていました。
それを見た観光関連の人々は胸を高鳴らせ、更なる整備の必要性に燃えていたのです。
2. 日曜日の楽しみだった「工事の進捗放送」
このカードを眺めていると、当時の記憶が鮮明に蘇ります。 当時はテレビ(山陽放送など)で、毎週日曜日に瀬戸大橋の工事状況を伝えるミニ番組が放送されていました。
「今日はどこまで繋がったか」「巨大な橋桁を船で運んでいる」……。 その進展をテレビ越しに見守る時間は、岡山の人々にとって、まさに輝かしい未来へのカウントダウンでした。一歩ずつ、しかし確実に四国へと伸びていく鉄の道に、誰もがワクワクしたものです。
3. 消えゆく「オレンジカード」という文化
建造中の瀬戸大橋も貴重ですが、このカード自体も、今となっては貴重な文化遺産です。 現在のSuicaのようなものとして利用されていました。
自動券売機で切符が買えるプリペイドカードとして一世を風靡しましたが、ICカードの普及によりその役割を終えました。
しかし、こうしたカード一枚に刻まれた「建設中の風景」は、当時のエンジニアたちの挑戦と、それを支えた地域の期待を物語る、かけがえのない歴史資料といえます。
