以前に倉敷市の下津井電鉄の路線跡(風の道)を散策した際に、琴海駅鷲羽山駅の中間くらいの地点から少しs下った場所に海神社という神社があるのが気になっていました。
風の道から降りていくルートがあるなら寄ってみたいと思っていましたが、残念ながらそれらしいわき道は見つからずそのままになっていました。

という事で。
今回は大畠の集落から海神社に向かっていく事にしました。
岡山児島線から住宅地の中を進んでいくと神社に辿り着きます。他に県道393号からトンネルで高速道路の下を抜けるルートもあります。
どちらの方向から来るにしても駐車場の類はありません。車で行く場合は駐車場を確保した上で近い方を選ぶのが得策です。

現地はそこそこ急な傾斜の階段になっています。
恐らくかつては神社の名前の通り海が一望できるいい景色だったのだと思います。今は少し木々が茂りすぎており、隙間から僅かに海が見える程度です。

では拝殿から見て行きましょう。

急な階段を上った目と鼻の先が拝殿です。
なので写真もかなりアップの状態でしか撮れませんでした。

小ぶりながらなかなか迫力のある作りです。
この大きさの神社だと社殿が1つだけ…という事も少なくありませんが、海神社は小さいながらもきちんと本殿を構えています。

やや小ぶりですが、こちらも優美なデザインです。
周囲を囲う玉垣から地元の人々の信仰の厚さを伺えます。

場所的にはやや辺鄙と言っても良い位な場所ですが、ここが大畠地区の氏神です。
祭神は海の紙である綿津見神です。いざなぎといざなみが日本の島々を産んだ次に神々を生み出した「神産み」の際に誕生した日本の中でも古い神です。
ご利益は海上の航行の安全と豊漁です。地区の中でも最も高い場所に鎮座しているのは、行き来する船が一望できる位置が選ばれた為でしょう。

こちらは境内社の木野山神社です。
元々は岩を背負った姿だったのでしょうが、今は安全の為か背後はコンクリートで加工されています。
木野山神社は高梁市にある神社を分霊したものです。コレラが流行した際に県内各地に分霊されており、今でも神社の境内社などでその名をよく目にすることがあります。
コレラを漢字で書くと「虎烈刺」であり、虎に打ち勝つのは神使を狼とする木野山神社のご利益であると考えられたのです。

周囲を岩に囲まれた場所に鎮座しているのは、スペースの少ない海神社の境内に何とかお迎えしたという事情なのでしょうか。それとも巨岩信仰の名残なのでしょうか。
海神社に関する詳細な資料が見つけられていないので、もし分かれば追記していきます。




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