岡山県の公式サイトで「県政への提言」というコンテンツがあります。
これは県民から寄せられた県政への要望などの意見の内、幾つかを回答付きで掲載しているものです。
それでは現時点での最新版である令和4年2月分を読んでみましょう。
県北への野生動物保護施設の設置について
〇県北には野生動物保護施設がないので設置してほしい。
⇒県では、現在、岡山市の池田動物園及び和気町の岡山県自然保護センターに鳥獣保護センターを設置しており、傷病鳥獣の看護や鳥獣保護思想の普及啓発に係る業務を実施しております。
回答は一部省略しています。
現在のところ岡山市の池田動物園と、和気町の岡山県自然保護センターがあるというのが回答です。
新設については専門的な知識、技術を持つスタッフが必要な事や、鳥インフルエンザなどの疫病対策がきちんと出来る施設が必要…といった諸条件がある為に、現時点では計画はないという事のようです。
正直なところ、これは県南にもあるから県北にも作ろうよという類の施設ではないと思います。
逆に言えば岡山県自然保護センターが老朽化や敷地が足りないという事になった時に、新たな用地が県北部になることもあるでしょうし、その時に県南部に施設が無くなる事を懸念するような施設でもないでしょう。
民間の池田動物園は別として、県に1つ様々な事に対応できる施設があれば良いのだと思います。
県施設の自動販売機飲料の販売価格について
○県立学校等に設定されている自動販売機飲料は定価より値引き販売がされている。県は設置事業者から手数料収入を得ているが、手数料収入を廃止すれば、もっと販売価格を安くできるのではないか。
⇒自動販売機の販売価格については、値引き販売による売上増加と近隣事業者の売上低下の影響、利用者の福利厚生などを総合的に判断し、適正価格を決定しているところです。(中略)県立学校の自動販売機手数料の徴収をやめた場合、販売価格がさらに安価になりますが、学校行事等で来校する保護者や地域の方々にもご利用いただいていることから、過度な値下げは利用が集中することにより、近隣事業者の売上低下につながるおそれもあります。
自販機の収入は概ね1~2割程度です。
なので手数料を放棄すれば缶の飲料なら10円くらい下げられる可能性がありますが、これが質問者の方が思っている「もっと販売価格を安くする」ほどの効果なのか疑問です。
しかし県の主張する「利用が集中する」も微妙な気がします。
お店がないようなエリアなら安い自販機の需要は高いと思いますが、スーパーなら銘柄によっては500mlのペットボトルでも100円未満で購入できます。
自販機の10円程度の値引きで、地域経済への影響を考慮するほどの効果が得られるとは思えません。
それと自販機を設置することで月に数千円の電気代がかかることも見逃せません。
設置することで公共施設が電気代を負担するとなると、それはそれで違うような気がしますし、その為に設置箇所や台数が減らされるのであれば本末転倒です。
自販機を設置するような公共施設であることを考慮すれば、圧倒的な黒字でしょうし、その黒字幅を狭めて利用者に還元を…というのが実際の質問の意図なのかもしれませんが。
…ということで、今月の提言は2つでした。
なかなか面白いものですね。2月以降分も何か興味深い意見があれば紹介していこうと思います。