日用品の買い物をするのに三井生協の和田店に行くことがあります。
和田店とリニューアル後の荘内店は100円ショップが一つのレジで済むので便利なのです。
お店の入り口に「いかします”わたしの声”」という、利用客からの意見と店からの回答を書いた貼り紙が貼ってあります。
わりと「これを入れて下さい」「入りましたよ」というやり取りが多くて、新しい貼り紙があると読むようにしていました。
が、今回のは少し毛色が違いました。
二枚の貼り紙があります。
左側は男子用トイレの故障を伝える物です。
気になったのは右側です。
日比店は地域の人々に支えられてきたのに、最近は特売もチラシもなくし本部店、和田店に行かせるようにしたけど、車に乗れない年よりたちは行くことが出来ない。とても冷たい対応だと思う。
車に乗れるなら生協をすどおりしてマルナカ、エブリイ、わたなべ(※わたなべ生鮮館)にみんな行くことになる。
結局 お客を減らす事になると思う
私は日比地区の住民ではないのですが、三井生協日比店ではチラシの特売商品の対象外になっています。
車が無いから高い買い物をしなければならない。車があるならお前の所なんて行かないよ!とも取れる皮肉のような辛さを含んだ意見です。
お店の回答は前半は略しますが下記のような内容です。
日比店は数十年ずっと赤字を出し続けている店舗です。今までは他の店舗の利益や他の事業の利益でこの赤字をカバーするという方法で経営を続けてきましたが、今回のコロナによる不況で赤字をカバーする事ができなくなりました。
したがって日比店を残す為には今やっている様な対策をすすめて黒字化する他に方法がありません。それが出来なければ店は潰れます。どうぞご理解下さい。
なかなか厳しい返答です。
三井生協は正式名称が三井造船生活協同組合と言い、三井造船(現・三井E&S造船)が運営する店舗です。
なので本来の存在意義は三井造船やそれに関連する企業で働く人々が買い物しやすいようにという事の筈です。
日比店を赤字でも維持してきたのは、従業員の家や社宅が多くある地域柄を重視しての事ではないでしょうか。
しかし造船不況で本体の経営状況は悪化。公官庁の艦艇事業を三菱へ譲渡、自社建造からの撤退、更にグループ企業の売却と周囲からは存続を危ぶむ声が聞こえてくるような状況です。
赤字店舗の維持に割く余力が無いのが実情なのでしょう。
実は最初の写真の左側にあるトイレの修理についての返答にも、修理を従来のセンサー式からボタン式に変えるという費用を抑えた形で予定している事が書かれています。
意見にある通り易く買い物をするならマルナカ、エブリイ、わたなべ生鮮館と、市内にも色々な選択肢があります。
しかし地元にお店が残ってほしいのであれば、地域の住民とお店で痛み分けをする事は大切な事だと思います。
お店により高いサービスを求めるのは客としての当然の権利ですが、人口減の時代に向けてお店を残す為に客の立場で出来る事について考えるのも必要になってきているのかもしれません。