少し前に「消えた映画館を探して～おかやま、昭和の記憶～」という本を購入しました。
岡山県内各地に存在した映画館の場所、営業期間などを紹介した本です。
かなり詳細なデータベースになっているので、興味がある人はぜひ手に取っていただきたいのですが…。
今回はその中から高梁市の商店街にあった「松栄館」を見に行ってきました。
場所は備中高梁駅からほど近い高梁栄町商店街の中です。
こちらが映画館跡です。映画館と同じ名前のギフトショップがありますが、
このお店は映画館と同じ家の方が経営しており、名前も映画館の物を引き継いだそうです。
もちろん映画館があったのもこの場所で、建物も流用されています。
このお店の横を抜けるとある駐車場が映画が上映されていたスペースです。
よく見ると屋根のところに照明がついていたり、ここが屋内スペースだった事を思わせる名残が見られます。
同著によると営業期間は昭和4年～昭和47年です。
となると建物はかなり降るはずですが、昭和31年に改築しているそうです。
閉業時期はやはり他の映画館同様にカラーテレビの普及時期と重なります。
各家庭にカラーテレビが置かれ、同時期にテレビで日曜洋画劇場（1966年～2017年まで放送）のような映画を定期的に放送する番組が増えてきて映画館の需要が低迷していったのです。
中にはピンク映画（R18のいわゆるエロ映画）に切り替えて延命した映画館もありますが、松栄館はそうはせず廃業と同時に前述の通り駐車場に模様替えしたようです。
ちなみに建物の横側に行くと飲み屋が幾つかあります。
この場所を見学に行く前に、喫茶店のパレットで地元の方からお話しを聞く機会があったのですが、これは映画館があった頃からそうだったそうです。
映画館+飲み屋という構成になったいたのだとか。
喫茶店が併設されたりなら分かりますが、映画を見て一杯ひっかけて…というのは面白い組み合わせですね。
建物の裏側はこんな感じです。
表から見ると商店街に溶け込んでいて映画館だった名残は余り感じられませんでしたが、後ろから見ると映画館らしさがよく分かります。
ちなみに栄町商店街付近は映画館が密集していました。
松栄館ほど分かりやすい痕跡が無いので記事としては紹介していませんが、興味がある方は携帯電話に本をダウンロードして散策してみてはいかがでしょうか。