井原市を散策して市街地から上出部町の方に向けて歩いていると、こんな風景に出くわしました。
かなり立派な参道です。
周辺は出部公民館や住宅地、そして線路の高架などが整備されている一帯ですが、アスファルトで舗装されている物の参道の部分だけが綺麗に残されています。
これは岩山神社へと続く参道です。
岡山県神社庁の紹介ページには吉備津神社の摂社である岩山大明神の分霊とあります。
吉備津神社から少し山の中に入った辺りにある岩山宮の事でしょう…と思うのですが、場所が井原なので福山の方の吉備津神社にも岩山大明神が鎮座している可能性もあります。ネットで検索した限りは岡山市の吉備津神社で間違いないと思います。
下出部に来履屯倉が置かれた際に、それに伴って分霊されたそうです。
それが6世紀前半の出来事なのでかなりの歴史があります。
参道を進むとこのような入口に行きつきます。
この辺りで社殿を新調した際の記念碑、記念樹が見られます。
昭和8年に大きく手を入れて現在に至るようです。
随神門。やや石段が長く続くので足が悪い人には向かない神社かもしれません。
社殿へ続く車道は整備されている物の、私がお参りした際は鎖で閉じられていました。
恐らく神社関係者や境内の整備など、目的がある時だけ開かれているのではないでしょうか。一般の方で通行したい場合は神社の方に相談してみてはいかがでしょうか。
神社のバリアフリー化は高齢化の時代に求められるものではあると思いますが、文化財としての貴重さもあるので大掛かりに手を入れるのは難しいのかもしれません。
閑話休題。
拝殿です。
山の中腹と言う立地の為か、参道と比較するとやや小ぶりな印象の社殿です。
ただ実際に訪れてみるとそれを感じさせない立派な作りで、大きく広がりを感じさせます。
アルミのサッシが入っているのがちょっと残念です。
これをしてしまうと文化財指定が受けられなくなります。歴史や規模を考えると、将来的に市の文化財くらいは狙えそうな建物だけに勿体ないな、と。
もちろん指定がないからといって、岩山神社の歴史的な価値が落ちるわけではありません。ただ文化財指定を受ける事で市のサイト、パンフレットなどで目立たせる事が出来るというメリットもあります。
そして幣殿~本殿です。
こちらに関しては文句なしで立派です。
やはり拝殿は山の中と言う立地の為に大きくできなかったのでしょう。
この本殿の大きさこそ、井原市における岩山神社の立ち位置を証明しているように思えます。
物凄く立派でカッコいいです。
この記事を書いている時点では井原市の観光協会のサイトでは岩山神社は紹介されていないようです。
井原観光でここを外すなんてもったいない!お勧めの神社です。