1997年に発生した神戸連続児童殺傷事件は小学生5人が被害を受け、内2人が死亡するという凄惨な事件でした。
酒鬼薔薇聖斗と名乗る犯人が中学生(当時)だった事も世間に衝撃を与えました。

犯人は早い段階で捕まりましたが、まだ少年だったので医療少年院に送致され2004年には社会復帰を果たしました。
この頃から、岡山県では酒鬼薔薇聖斗が岡山で暮らしているらしい」という噂が流れるようになりました。

内容は「少年院を出たものの、さすがに地元では顔が知られすぎていて戻る事は出来ない。そこで隣県である岡山で名前を変えて暮らしている」というものでした。
これに付け加えて「親元から離れすぎないように隣県である岡山が選ばれた」、「岡山にいる親族を頼ってきた」などの岡山県が選ばれた理由が付記される事もありました。

実はこれ、日本各地で同じような話が出ている都市伝説レベルの話しでした。
兵庫県から近い県だと岡山と同じような理由で、遠い場所だと正体が分からないように遠くに移り住んでいる…といった理由に変化するようです。
後年に出版された自伝やマスコミの報道によると、実際はどこかに定住したわけではなくマスコミに追われ転々としながら暮らしていたようです。

社会的に大きな話題になった事件なので、こうした都市伝説が生まれたのでしょう。
もちろん更生を負えて社会復帰している現在、岡山であれほかのどの都市であれ暮らすのは自由です。
岡山はよそ者に対して冷たいと表現される事さえある県民性と言われています。実際に「おい、小池!」で知られる殺人容疑者が見つかることなく長く潜伏していた例もあります。もしかすると岡山は上記の理由以外でも過去を詮索されたくない人間が暮らすのに適した土地なのかもしれませんね。

関連リンク:「おい、小池!と岡山




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