「皇室を敬いましょう」
受け取り方によってはやや偏った思考にも見えるこのフレーズ。
実は熊野神社で見られたものです。
厳密に言うと後鳥羽上皇御影塔の場所です。
承久の乱で敗退した後鳥羽上皇は隠岐に流され、その地で生涯を終えました。皇室を敬う的な表現で言えば崩御ですね。
後鳥羽上皇の皇子2人も承久の乱の為に追われ、備前国児島に流されていました。
彼らが亡くなった後鳥羽上皇の為に建設した供養塔がこの後鳥羽上皇御影塔 だと言われています。
なのでこの地は皇室ゆかりの地とも言えます。
そこで先ほどの張り紙はいったい何だったのか見て行きましょう。
どうやらある行事に関連して貼られたものだったようです。
後鳥羽上皇祭(上皇祭)です。
どういった祭りだったのかは分かりません。ネット上に情報があるか漁ってみましたが、何も出てきませんでした。
なので張り紙の内容から見て行きましょう。
まず主催は熊野神社です。後鳥羽上皇御影塔は五流尊瀧院に帰属するのかと思っていましたが、神社が主催なのですね。
参加は有料で玉串料と食事代を含めて2千円を納める必要があります。なんと食事付きの行事のようです。ドレスコードでネクタイが要になっている事からも、かなりきちっとした雰囲気で行われていた事が伺えます。
参加資格は「文学 芸術を愛する人(好きな人)」とあります。LikeでもLoveでも大丈夫ですが、これはどうやら和歌、詩吟、音楽、舞といった芸術を奉納するという為のようです。
開催日が3月24日なので、後鳥羽上皇の命日に近い休日辺りにでも人が集まって食事をしたり舞や詩吟を披露したりしながら過ごす…、そんなお祭りだったのではないでしょうか。
ちなみに残念ながら2021年に終了しており、もう参加する事は出来ません。
という事で、後鳥羽上皇の命日に催される行事なので、皇室を敬いましょう…という事のようです。
尚、貼り紙はどちらも剥がされており現存しません。貼り付けてあった衝立のようなものは残されています。お祭りが盛んに行われていた時、情報交換や行事のお知らせの為に設置していたのでしょうね。