さてブログの方で「津山事件を学ぶ」というコンテンツを立ち上げました。
元々のプロットとしてはサイトの初期からありましたが、まだ関係者でご存命の方が多い時期でした。
地元に住み続ける人もいる状況を考えると、もう少し待とうと眠らせていました。
時は流れて、どうやら現時点で関係者の多くが亡くなり、更に事件の起きた貝尾地区には当時から存命の方はおられなくなったそうです。
という事で津山事件を学ぶという記事に着手しました。最近ブログで津山事件関連の話題が多いのは、サイトの記事で使用しなかったチップスをブログで公開した為です。
初期のプロットから今回の記事を立ち上げるに際して、コンセプトは「事件資料に忠実である事」でした。
YouTubeを開いてみれば話題性の高い津山事件を取り扱った動画が山ほど出てきます。そしてそれらの多くが、きちんと資料を読み込んでいない為に誤解した内容であったり、事実としての裏付けのない俗説を焼き増して出しているだけ…といった有様です。
例えば先日このブログでも触れた都井睦雄が書いて子供たちに読み聞かせをしていたとされる小説「雄図海王丸」。
これは現在では捏造だったのではないかという意見が強く、津山事件の事件調査をまとめた公的資料である「津山事件報告書」でも全く触れられていません。更にその小説の初出である筑波 昭氏の著書でも新たに新潮文庫で発売された際には割愛されています。
しかしこのような状況でも何の疑いもない事実のように紹介されてしまう事があるのです。
なのでとりあえず公的資料や当時の報道から読み取れる事を最重視した内容が無料で読める事が重要だと考えました。
全国的な知名度を誇るニュースなので、うちのような弱小規模のサイトが扱って、どれくらいの効果が生み出せるかは分かりません。ただ事実ではない事が出回る事を防ぐ一助となればと思っています。
事件の動機における大きなポイントとなる夜這いの習慣にしても、中には貝尾のみにある奇習のような表現をされる事もあります。ちょっと調べれば分かるような事ですが、それさえも省いてコンテンツを作りたがるような人がいるのが現実です。
事件の事実だけが広まる事、そして根拠もないような擦りで濡れ衣を着せられてしまった被害者や関係者の方の名誉を回復する事。
ちょっと堅苦しくなりますが、この二つを「津山事件を学ぶ」の記事が成し遂げてくれることを期待しています。