牛窓のヨットハーバーまで歩いていると、随分と賑やかな壁画がありました。
この写真はほんの一角のみで、ヨットハーバー付近までずーっと続いています。
牛窓町の観光や特産、そして町並みなどが延々と描かれています。
牛窓の海水浴場です。
見た感じではプロではなくアマチュアの作品のようです。
このような感じのほのぼのなイラストが続きますが、中にはこんな物もあります。
なんと前島までの往復チケットです。
郷土史のサイトを運営している身としては、こういうのも価格が入っていると後々の時代の資料として有意義なものになってきます。
詳しくは後述しますが、この壁画が描かれたのは2004年ごろの筈です。この壁画にある価格は2023年に値上げしており、現在は大人300円(2024年8月時点)です。
ほら、既に史料でしょう。
潮待ち、風待ち港として栄えた牛窓の港の歴史を記したものもあります。
短歌にあるように風や潮が良くない際に、落ち着くのを待つ為に寄稿したのが牛窓港です。
現在は観光地として賑わっている「しおまち唐琴通り」のしおまちは潮待ちの事です。数日の滞在になる事もあり、潮待ち港は飲食店や遊郭などで賑わった場所が多くあります。
さてさて、こんな壮大な壁画がどうしてできたのか?というと、答えも壁画の中にありました。
ももっち!
現在では県のマスコットとして広く親しまれているももっちですが、この国体バージョンが起源です。
元は国体のキャラクターだったのが、続投して県のキャラクターに成りあがったわけです。
この壁画は2005年の国体の開催記念で作られたのです。
厳密に言うと国体と前年の高校総体が中国地方で開催された事と併せての記念だったようです。
高校総体ではこの壁画のあるヨットハーバーがヨット競技の会場になり、国体では同所でセーリングも開催されました。だからこの場所で作られたのでしょうね。現地の看板には協力として「邑久高校」、「牛窓中学校」、「邑久中学校」、「牛窓町スポーツ少年団」「牛窓町役場潮会」とあります。
恐らく絵を描いたのはこれらの団体だったのでしょう。上のももっちのような見事のイラストもあれば、先の海水浴場のような幼さを感じられるイラストもあったり色々な作風が見られるのは、こうした事情なのでしょう。