先日、瀬戸内市牛窓町の辺りを走っていると、同乗者が不意に「懐かしい!」と言ったので、見てみると瀬戸内警察署がありました。
警察署が懐かしいとは穏やかではないなと思い、詳しく聞いてみるとテレビで見たとの事でした。
それは2000年に発生した殺人事件の事でした。
瀬戸内市・バット殴打事件
もう随分と年月の経った事件なので、ざっくりと説明します。
瀬戸内市のバット殴打事件は、当時高校三年生だった少年が金属バットで部活動の後輩を殴打、更に帰宅後に母親を撲殺したという事件です。
事件の動機は部活動における後輩からのからかい行為(いじめとも)が続いていたことでした。
最初に後輩を殴打したことで殺害したものと誤認しており、殺人者の親となってしまう事を危惧し、母親を殺害したそうです。
この時に捜査本部が置かれたのが、当時の牛窓警察署…現在の瀬戸内警察署でした。
事件のその後
この時点で少年が捕まれば、ショッキングなニュースとして報道されはしたでしょうが、数日の内に報道は収束した事でしょう。
しかし少年は犯行後、行方をくらましてしまいました。
発見されて逮捕されるまで、約半月。
様々な目撃情報が錯綜し、時には死亡説が流れた事もありました。
少年の行方を巡ってマスコミでは連日、牛窓警察署の映像が流されたのです。
同乗者が瀬戸内警察署を懐かしく感じたのは、その頃に何度も見ていた為のようです。
逃走と死国
先述の錯綜した目撃情報の中で、実は四国での目撃情報が割りと多くありました。
少年は秋田県で発見されたので、誤った目撃情報ですが、この事から妙なウワサが流れたことがあります。
事件の起こる前年、1999年に死国という映画がヒットしていました。
この映画の中で描かれたのが、死者を蘇らせる四国八十八箇所の逆打ちという儀式でした。
普通の四国八十八箇所巡りを順打ちとし、逆打ちとはそれとは逆方向から巡礼をする事です。
母親を殺してしまった事を悔やんだ少年が、巡礼者に混じって逆打ちを行っているのではないかと囁かれていたのです。