サイト上で津山事件に関するコンテンツを作成中です。
サイトからリンクしていないコンテンツですが、既に想定よりも検索上位に表示されるようになっています。
さて、こういう記事を作る際にGoogleなどの検索サイトで関連キーワードをチェックします。
どういう内容に検索ボリュームがあるのか、つまり人々の関心があるのか。そこは重要なポイントです。
その中に意外なキーワードを見つけました。
「津山事件 かわいそう」
画像はBingの検索キーワードです。モザイクにした部分は個人名です。別の記事で触れた通りこの名前自体も仮名なのですが、今回の記事とは関係ない名前なのでモザイク処理をしています。
実はこのキーワードで検索をしても余りそれらしい記事はヒットしません。
上位に出てくる中では恐らく次のYahoo知恵袋の記事くらいです。
なので恐らくかわいそうと思う人が多くて検索数が増えたというよりは、「かわいそうと思う人はいるのかな?」と思う人が多くて関連キーワードに浮上してきたのではないでしょうか。
それはかわいそうと思えるポイントもあると考える人が多いという事でもあるでしょう。なのであえてかわいそうなポイントを考えてみようと思います。
1.村八分にされてかわいそう
津山事件の犯人である都井睦雄は肺結核を患っていました。
その程度に関しては本人が悲観するほど重症ではなかったという説もありますが、徴兵検査で実質上の不合格に分類される丙種合格になりました。
当時は日中戦争の最中で、若い年代の男は兵役で集落を離れていました。そこに残る数少ない若者として夜這いの相手をするなど、男女関係に関しては奔放な環境にあった睦雄ですが、これをきっかけに避けられる存在になります。
遺書でも本人が犯行の理由として挙げています。
この点に関してかわいそうなのは事実ですが、まだ肺結核の効果的な治療法が開発されていなかった時代です。感染のリスクがある事も含めて、人が離れていくのは仕方ない部分もあります。
その環境でも女性を誘おうとした際に、それを集落で悪口として言いふらされたなど、犯行のターゲットにされた女性の一部に非がないとは言えません。
狭い集落の中でそういう立場に陥る事が事件のきっかけとなった事、それをかわいそうと思う人もいるのかもしれません。
2.家庭環境がかわいそう
都井睦雄は幼少期に相次いで両親を亡くしており、祖母に育てられました。
その祖母は結核の家系の子である睦雄の健康に非常に気を配っており、通った小学校には少しの事で休ませていた様子が記録に残されています。
そして進学が期待される秀才であったにも関わらず、貝尾集落に留まる事を要望されその機会を失ってしまいます。
津山事件の詳細を調べている内に、ここで進学していれば事件が起こる事は無かったのではないか…と思う事は確かにありました。
そして唯一の兄弟である姉が結婚し、その頃から精神的に不安定になったともいわれています。狭い世界に留まる事になってしまい、その世界でつま弾きにされて、その世界を壊すしかないところまで追い込まれた…という見方も出来るのでしょうか。
3.女性にフラれてかわいそう
これは1とも重複する部分があります。
睦雄には恋仲ともいえるような深い関係にあった女性もいたのではないかと言われていますが、肺結核が分かった頃に離れて別の男性と結婚してしまいました。
また集落内で性的な関係にあった女性らとも、やはり病気が原因で関係が途絶えてしまいます。
この項目だけを理由にかわいそうと言ってしまうのは無理がある気がしますが、複合的に見た時にそのように感じる事もあるのかもしれません。
…と、以上の3点くらいでしょうか。
正直なところ、私自身が調べている中で可哀そうとは思っていないので、もっと違った目線もあるのかもしれませんが…。
1に関してはよく挙げられる部分ですが、当時の医学の水準を考えるとそういう対処にならざるを得なかったという周囲の考えも尊重されなければならないでしょう。
個々の受け止め方なので、どのように思うのかはそれぞれの考えによると思います。もしかすると両親が亡くなって祖母しかいないのに姉が嫁いだ事をかわいそうと思う人もいるかもしれませんし、色々な意見を聞いてみたいなと思います。