津山事件の真実とは?

サイト作りの中で「サジェストキーワードツール」というツールを活用しています。
これは皆さんもGoogle検索をするときに目にするもので、例えば「ラーメン」と検索すると、続けて自動的に「ラーメン 〇〇(地名)」や、「ラーメン 近く」などの候補が出てきます。
これがサジェストと呼ばれる機能で、よく検索されるワードが表示されます。ラーメンのような食事関係だとGPSとも連動するので〇〇の部分にはあなたがいる地名や、普段生活する地名が出てきます。

サイト作りで重視するのは前者の機能で、よく検索されるワードを探す為に用いています。そしてそのワードに基づいて、自分が出せるネタを記事にしていく事で、人々の関心が高い記事を作る事が出来るわけです。
その中に「津山事件の真実」という物があります。

ネタバレをするとこれは津山事件の研究書の一つで、事件の公式資料である津山事件報告書を元に従前に発表されていた津山事件に関して、真実ではないと思われる部分を取り除き事件の真実に迫った一冊です。報告書が入手しづらい時期に出た事もあり、筑波 昭の「津山三十人殺し」に代わる資料として広く知られています。

これが検索上位に来るのは納得ですが、実際のところ本当に単に事件の真実を検索している人もいるのではないかと思い、ちょっと考えてみる事にしました。

犯行の原因説① 女性問題

これは津山事件の原因として、最も知られるものです。
事件後の新聞報道でも原因として挙げられていました。

当時は不治の病だった肺結核に罹り、それまで親しくしていた女性らから距離を置かれるようになります。
そして中には結婚して他の集落に出て行った者もいました。その中には単に肉体関係を持つだけの関係ではない、強い恋愛感情を抱いていた相手がいたとも伝えられています。
この事から逆恨みし、犯行を決めたという説です。

この説は後に挙げる他の説も含まれており、個人的にはこれが真実で間違いないと思っています。

犯行の原因説② 村八分

これは結局のところ、①の女性問題が男性にまで広がったものです。
津山事件は村八分が引き起こした事件として、村八分の事例に挙げられることが少なくありません。
遺書にも「病気四年間の社会の冷胆、圧迫にはまことに泣いた」とあります。特に姉に向けた遺書では近隣住民を鬼と表現し、繰り返し復讐しなければならない事を強調しています。

道で犯人の都井睦雄を見ると離れて歩くなどの肺結核に対する差別的な扱いが原因とするものですが、当時の医学を考えるとやむを得ない部分もあると思います。
感染すれば自分の命にかかわる問題です。
以前ならそのようには考えなかったかもしれませんが、新型コロナウィルスが流行した際に、やはりそういう感じにはなってしまうんだなと納得出来てしまいました。

これは頭のいい睦雄にも分かっていた事ではないでしょうか。
それでも親しくしてきていて、もしかすると肉体関係まで持った相手が手のひらを反したから、人を殺めるという選択肢が出てきた…と考える方が、個人的にはあると思います。

犯行の原因説③ 結核

両親や祖父が命を落とした肺病、肺結核に自分も罹っている事を悲観しての犯行とする説です。
当時の医学では有効な治療法が確立されていませんでした。
長らく日本人の死因の1位だった事からも、罹った事による絶望感はかなりのものだった事が予想できます。

様々な民間療法を試す中で、相続していた遺産も底をつき始め…、追い詰められて先に紹介した説のような気に入らない相手を殺害して自分も自害してしまおうという精神状態に陥っての犯行というものです。この説だと犯行後に自殺という終焉を選んだ理由も分かりやすいですね。どうせ死ぬんだ、と。

ただし睦雄の結核はそれほど重症ではなかったのではないかとする説もあります。
実際に事件の用意の為に山で訓練したり、事件の際には休みもなく2時間近く殺戮を繰り返しています。遺書には自分の体が元気な内に決行しなければならないと考え、体が丈夫な内にやったという旨の記載がありますが、それにしても元気すぎやしませんか。

この結核に付随して徴兵検査に事実上の不合格となる丙種合格になった事を悲観してという説もありますが、こちらにも自分から肺病をアピールしていたとする、徴兵逃れのような説もあります。
この詐病説?については決して有力説というほど裏付けるような資料が出揃っていないので、今後の調査次第で結核説を有力とするかどうかが左右されるポイントになりそうです。

感想

異常の三つがよく知られる犯行動機です。
本人が何も語らずに亡くなったので、どれが真相なのかについては想像しか出来ません。
また三つとも強さの差はあれど、動機の一環である事は間違いないと思います。

個人的には①、②のどちらかと思います。結核である事を悲観してというのは、ちょっと強引ですし、遺書の内容とも異なります。
③は犯行の後押しになった可能性はありますが、それ自体が動機と考えるのは違う気がします。

その中でも①の方が優位かなと思います。事件後の遺書では男女関係への言及も多く見られます。
動機の一つとして特に恋愛感情を抱いていた女性が帰郷する事が挙げられていましたが、恐らくターゲットの中には睦雄にとって初めての女性だったり、思い入れが強かった女性も含まれる筈です。恋愛脳的な表現になりますが、特別な感情を抱く相手にこそ辛い時に寄り添って欲しいものです。それが逆に離れていった事はやっぱり辛かったのではないかと思うのです。
そして肺結核という病気から、今やらなければ復讐できる機会が無くなるという切迫した感情が芽生えて…。
津山事件の真実は、そんなところにあったのではないかと考えました。

関連リンク:津山事件を学ぶ




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