「インターネット エクスプローラー」きょうでサポート終了(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220616/k10013673811000.html)
インターネット閲覧ソフトとして広く使われてきた「インターネット エクスプローラー」は、利用する人が減る中、16日、サポートが終了となります。ソフト供給元のマイクロソフトは、後継となる「マイクロソフトエッジ」など別の閲覧ソフトの利用を呼びかけています。
長らくMicrosoftのWindowsで標準ブラウザとして活躍してきたインターネット・エクスプローラー(以下IE)が2022年6月16日でサポート終了となりました。
IEとの思い出
私がサイトを作る勉強を始めた頃のIEがVer.5.
確認したらサイトのオープン時(2002年)はIE6の時代だったようです。
この頃のIEはWEB標準に余り沿っていませんでした。WEB標準とはネット上で定められた書式、仕様のようなものです。
当時のHTMLの教本にはWEB標準に沿ったネスケやオペラなどの当時人気ブラウザでの表示と別に、IEではこのように表示されるという注釈がついていたものです。
ただし当時のIEのシェアは強大で(最盛期で約92%)、IEでの表示を考慮して作るのが当然でした。IEがルール、そういう時代だったのです。
当時の私はネスケ(Netscape communicator)ユーザーで、IEの躍進で潰されたという恨みがあり(笑)、余りIEに良い感情は持っていませんでした。なのでIEユーザーではありませんでした。
しかしIEにはサイトを作る上で非常に便利な機能があり、サイト作りでは利用していました。
ローカルで作っているサイトをIEで表示させ、そのページを右クリックするとメモ帳で開く機能があったのです。
私が現在、SeaMonkeyというブラウザでサイトを作っているのも、この頃のIEを使ったサイト作りと近いやり方が出来るからです。(SeaMonkeyはローカルのサイトを開いて、そのページからHTML編集ソフトのComposerを起動できる)
IEの終焉とクローム人気の上昇
NHKの記事ではIEのシェア減少の理由を下記のように記しています。
かつては圧倒的なシェアを占めていましたが、標準規格に対応しているグーグルの「クローム」などにシェアを奪われ、最近は利用者が減っていました。
当時の事情で言えば、先にIEのシェアを奪ったのはFireFoxです。
FireFoxの躍進でユーザーの間に「ブラウザは好きなものをダウンロードして使うものなのか」という意識が芽生え始め、その頃に出てきたのがクロームです。
では何故IEから人が離れたのか?
個人的には2006年に登場したIE7が重たかった事だと思っています。
同時期に登場したOSのVISTAもそうでしたが、セキュリティ対策を強化した影響で以前のバージョンよりも遅くて重たくなりました。
その頃に起動が早いFireFoxが人気を博すようになりました。
Googleのクロームが出たのはその少し後で、2008年です。
クロームは登場から順調にシェアを伸ばし続けますが、そのライバルであるFireFoxの人気に決定的な陰りが見られ始めたのは2011年頃です。
FireFoxで定番のアドオンだったGoogleツールバーが提供終了したのです。
既にクロームが起動速度などの性能ではFireFoxを凌駕していたこともあり、これを機にFireFoxから乗り換えた人が増えたように思います。
定番のアドオンが無くなったことでFireFoxの魅力が削がれたのです。
それをしたのがクロームを作るGoogleというのは意味深ですが。
さて話がIEから離れてしまいましたが、この頃からブラウザの業界ではIEは徐々に影が薄くなっていました。アドオンでブラウザをカスタマイズして使う人が増えると、アドオンが少ないIEはライト層が使うものという扱いに変わっていきました。
更にその後で言えばGoogleの提供する各種サービスをブラウザで利用するのにはクロームが一番表示が軽く、エラーも少ないなどのメリットも叫ばれるようになりました。これは今でもそうですよね。google謹製だけに各種サービスとの親和性は高いです。
ちなみにIEの後継であるエッジもクロームをベースに作られています。この記事を書いている時点で世界シェアは1位がクローム、2位がエッジです。
感想
このまま行けばクロームがベースのブラウザで最盛期のIEのように高いシェアを持つようになる可能性も十分にあると思います。
しかし当時を生きてきた人間としては、今のブラウザ業界は退屈なんですよね。
IEが少し傾き始めて、FireFoxやChrome、そしてそれをベースに作られた物も含む様々なブラウザがあった時代が楽しかったです。
当時はネット回線自体が高速ではありませんでしたし、パソコン自体もそれほど高性能ではありませんでした。
様々なブラウザを試すことでより快適なネットライフをという面白さがありました。
現在はネットの速度で不満を抱くような時代ではなくなりましたが、様々なブラウザを試して自分に合う物を見つける…そんな楽しみが次の時代にも残っていて欲しいと思います。