赤磐市の旧山陽町にある備前国分寺跡に行ってきました。
国分寺は聖武天皇が仏教の力による国家鎮護を目指し、全国各地に建立した寺院です。
男性僧侶の国分寺、そして尼僧の国分尼寺が築かれました。
赤磐市には備前国分尼寺跡も南側にあったと推定されています。
岡山県だと県内唯一の五重塔を持つ備中国分寺(総社市)が有名です。
律令制の衰退に伴い国分寺の運営に対する援助が無くなり、廃れてしまったお寺も少なくありません。
備前国分寺もその一つです。
遺構らしいものは殆どありませんが、発掘された建物の礎石が整備されて公開されています。
敷地内には金堂、講堂、僧房、そして七重塔があり、その周囲をグルッと回廊が囲んでいたようです。
現地に上記の写真のような看板がありますが、ちょうど訪問した季節の時候が良すぎた為に草に覆われて痕跡が見えない場所も多かったです。
来るなら晩秋~冬が良さそうですね。
この石造七重層塔は七重塔の跡地に作られたとみられ、周囲に塔の物と思われる礎石も確認できます。
赤磐市の資料では国分寺が使われなくなった鎌倉時代の物とされています。
ただし同じ鎌倉時代の内に規模を縮小して再建され、そこからは意外と長く16世紀後半頃まで続いて廃されたと考えられています。
ただし完全に途絶えたのではなく、同じ馬屋地区にある圓寿院が系譜に連なる寺院として考えられているようです。
廃止後は長くその存在は明らかになっておらず、戦前の幾つかの資料で伝聞が記録されている程度でした。
発掘調査によって明らかになったのは1974年で、翌年の1975年に国の史跡に指定されました。