岡山市の岡山空港は無料駐車場などの効果もあり、非常の業績の良い空港として知られています。
しかしその反面で、アクセスの悪さというのもよく言われるポイントです。
ご覧の通り山の中の一角を切り開くようにして作られています。
岡山駅からの距離は約18.5km。電車から飛行機と乗り換えるようなイメージでいると、間にちょっとしたバス旅行が挟まれるような感じでしょうか。
この場所になった理由について、当時の県知事である長野士郎さんが説明していたので、ご紹介します。
若い方は余りご存じないかも知れませんが、現在の岡山空港は2代目です。
初代の空港は岡山市南区の岡南飛行場です。
古い地図で(左上の方)岡山空港と書いてあります。
児島湾有料道路というのが現在は締切堤防と呼ばれている道ですね。
飛行機のジェット化に対応できない広さで、拡張には更なる埋め立てを要します。
しかしそもそも岡南飛行場の土地も埋立地で、地盤が強くありません。
これは締切堤防が大型車通行禁止(バスなど一部を除く)にしている理由でもあります。
なので新しい場所を探したのが、北区日応寺の現在地です。
話が戻りますが、なぜ市街地から微妙に距離のある山の中を選んだのでしょう?
実はこの位置は本来なら岡山の人口密集地がクロスする場所になるはずだったのです。
空港の建設場所でまず重視されたのは、人口が多い岡山市と倉敷市から便利が良い事です。
それなら岡山市の吉備津、庭瀬と言った岡山と倉敷の市街地の中間の辺りが選ばれるのでしょうが、当時の岡山にはもう1つの都市部が出来るはずでした。
そう、吉備高原都市です。
現在では計画の一時凍結等の見直しの期間に入っていますが、当時はまだ夢の真っ最中。
人口3万人に多くの企業の誘致で賑わう計画が進んでいたのです。
つまり岡山空港の場所というのは、岡山市街地、倉敷市街地、そして吉備高原都市の3方向から向かいやすい場所という設定になっているのですね。
吉備高原都市の計画が上手く進まなかった為に、岡山からも倉敷からも微妙に不便な場所になってしまっているのです。
しかし私も別の記事で触れていますが、吉備高原都市の計画都市としてのポテンシャルは決して悪くありません。
今後の発展によっては、岡山空港の場所が多くの利用者から納得されるような日が来るかも知れません。