このブログでも幾度か競売物件で興味深いものを紹介していますが、私は競売物件で手頃な土地がないか探すのが好きです。
好きというか、仕事上で使える土地があれば…という目的があるのですが、それでもお店の跡などを見つけると位置や条件関係なくみてしまうので半分趣味ですね。
さてそんな物件探しの中で見つけたこちらの物件を紹介します。
なんと…まさかの一億円越えです。
大都会の方で物件を見れば違うのかもしれませんが、岡山のような地方都市の競売物件で億を超えるのは珍しいです。
三点セットからいくつか画像を。

建物の形的に古い病院かなと思ったのですが、それにしては鮮やかな色合いです。
場所は井原市井原町です。Googleマップのストリートビューで確認してみることにしました。
対象物が巨大なのですぐに見つかりました。
この建物は住宅型有料老人ホームの「フェスタ」という建物です。
ネットで検索したら既に廃業しているようです。残った負債の為に競売に出てくるようになったのでしょう。
過去にも老人ホームの競売物件はありましたが、利用者の方が問題なく新しい施設に移れていればいいなと、そんな風に思います。
最近では終活という言葉も当たり前になりました。私も過去に葬祭の業界で働いていました。その時のお客様が終活をしていて、老人ホームや相続、そして葬儀の準備…、こうしたことが片付いて「あー、これで安心して死ねる」と嬉しそうに話していたのが印象的です。
終の棲家を決めて、後の事も問題なく、後は死ぬまで楽しく過ごすだけだと。そんなところに、まさかのほころび。経営者の方も大変だったと思いますが、やはり利用者の方が心配になります。
では建物の中の様子を見ていきましょう。

まずは理想派の方の居室です。
うーん、昨今の老人ホームと比べて考えると、ちょっと簡素で狭いなと思いました。トイレ、お風呂は共同です。
洗面台もベッドのすぐそばで、まるで病院の個室です。この広さだと自分の家具を持ち込もうにもスペースが限られてしまいます。
なぜ廃業になったのかは資料がなくて分からなかったのですが、施設が古い…というか、最近の整った老人ホームと比べると見劣りしてしまう印象です。
部屋は何部屋の写真があるのですが、興味深いのはベッドの置き場所が部屋によって異なる事です。
この部屋は壁際で、別の部屋では窓の下…と。ベッドの配置は利用者の好みで選べるようになっていたようですね。個人的にはこれは好印象です。
こちらの部屋はギリギリまで人が住んでいたのか、家具類まで残されています。
このような感じで自分のいやすいようにアレンジできるのはいいですね。
ただ最近では普通の老人ホームでも個室が増えており、住宅型のアドバンテージとまでは言えない感じなのかもしれません。

建物の中には残置物がわりと多くみられます。
売れそうなものは既に監禁して、ベッドや椅子などの買い取ってもらいづらいものが残されているのでしょう。

食堂でしょうか。
この辺りはわりと施設がそのまま残っていて、まるで食事の時間が終わったばかりかのようでした。
ところで資料を読み進めていて、興味深い事実に行きつきました。
物件に関する詳細を解説する三点セットと呼ばれる資料があります。その中に関係人の陳述が記されています。
大抵は競売にかけられている建物の所有者か、その建物を利用/居住している人が建物の状況について答えています。
しかし、こちらの建物は異なります。
何故か回答しているのは建物のある地区の自治会の責任者です。
なので回答内容も外から見て分かる範囲の事だけです。なぜこのようになったのでしょうか。
その答えも同じ資料の中にありました。

既に運営会社も、恐らく代表者と思われるAも「あて所に尋ねあたりません」で、書類が届かない…。
事情を聴こうにも聞けない状況に陥っていたようです。
それで唯一話を聞けた自治会の会長さんの回答のみが掲載されるに至ったようです。
ちなみにA氏は後に現住所が突き止められたようで連絡が取れていますが、立会できないとの回答だったそうです。
もし井原で介護施設などをする気がある人がいれば、一億円あれば土地、建物とベッドが手に入りますよ…!



