1972年発行の岡山県の情報誌を読んでいると、このような広告がありました。

じゃーん。
立体写真像とありますが、、まぁただの銅像ですね。
この広告、恐ろしいことに個人向けの銅像を扱ったものです。立体写真像という言葉を聞きなれなかったので調べてみましたが、まず写真を撮影し、その写真の通りに像を作っていくというものだそうです。
写実主義ということでしょうか。銅像はジャンル全体が写実主義のような気もしますが、よりリアルに…といったところでしょうか?
文章の部分も紹介します。

ここでも立体写真像について解説されていますね。
それよりも冒頭にある文章の方が問題です。
「従来の銅像というものに対しての概念は過去のもので、今では誰でも写真を取るぐらいの気やすさで作られるように庶民化してまいりました」
1970年代ってそんな時代だったの…!!(たぶん違う)
まぁそれくらいになってほしいというか、ハードルを下げようと頑張っていたのでしょう。
フィルムカメラの一般家庭への普及期を経て、像の業界には危機感があったのではないでしょうか。もっと気軽に、できればもっとたくさんの像を作ってほしい。そういう希望をもって、せめて表現から像を作ることへの抵抗感を取り去ろうとしたのが、この文言だったのだと思います。
ちなみにこの「日本進物用品㈱」という会社は津山市にあった記念品、贈答品を扱う会社です。
ネットで調べてみたところ住所は広告に記載のある東松原ではなく、川崎で登録されています。広告が数十年前の事ですから、移転したようです。
これが本社の建物です。
実はストリートビューはタイムマシーン機能を使っており、2018年の映像が表示されています。
現在は会社の建物はなくなり、敷地の一部はドラッグストアのウェルシアになっています。ネット上では古い情報しか見当たりません。社名を変更した可能性も考えられますが、現在も営業していることを思わせる痕跡が全く見つかりません。おそらく廃業したのでしょう。
実はこの会社の広告を見るのは今回が初めてではなく、古い資料に目を通しているとたまに見かける名前で、その都度なかなか面白い商品を紹介しています。
また面白い広告を見かけたら紹介しますね。

https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
にて「日本進物用品」で検索してみたら、
>登記記録の閉鎖等(清算の結了等)
>事由発生年月日:令和元年8月29日
となっていました。ご参考まで。
ありがとうございます。
きちんと閉鎖の手続きもしていたのですね。
過去にいくつか広告を見たことがあるのですが、令和の時代まで生き残れるタイプの企業とは思えなかったので…正直意外な気持ちです笑
情報ありがとうございました。