D&Tファームが破産へ、もんげーバナナ事業に暗雲(https://n-seikei.jp/2025/03/dt-1.html)
農業法人(株)D&Tファーム(所在地:岡山県岡山市南区西高崎81-22、代表:田中哲也)は、2月27日に岡山地裁へ自己破産を申請した。
負債総額は約11.6億円。
もんげーバナナ、みんな食べた?
もう5年以上前になりますが、「もんげーバナナ」というバナナがブームになった事がありました。
皮ごと食べられる、余り多くない国産バナナ、一本五百円という高級感。この辺りが人気になり、一時期は贈答品として扱われるほどで天満屋でも販売されていました。
ブーム最盛期の 2019年10月期、約10.3億円の売り上げがありました。
それが直近は約1割の1.5億円にまで落ち込んでいました。
その理由としてなりすまし商材の被害を受けた事、新型コロナウィルスの流行で贈答品の動きが鈍化したことが挙げられています。
…が、単に一過性のブームが過ぎただけで、新たな商品の開発が続かなかった事が原因だと思います。
実は食べた事があるんですよ。当時、興除の辺りにいたので知り合い経由で。
皮も食べられる事が売りでしたが、確かに薄くて嫌な感じなく食べられるんですけど…、別に皮が美味しいわけじゃないんですよね。無味。
栄養たっぷりだから食べれば体にいいんでしょうけど、二口くらい食べて後は剥いて食べました。
バナナとしても美味しいんですけど、500円の価値が見出せなくて。スーパーで普通のバナナを買えば500円って10房前後です。目が覚めるほど味が変わる訳でもありませんし、たくさん食べられた方がいいなぁ、と。
なりすまし商材って?
被害が広がっていた当時、公式サイトに以下のような文言が掲載されていました。
お客様へ重要なお知らせ
弊社技術「凍結解凍覚醒法」や 開発者「田中節三」または商品名「もんげーバナナ」の名前を語った「なりすまし商材」等が確認されております。凍結解凍覚醒法の技術概要を模倣した解説を、あたかも自社技術であるように告知したり、著作物及び肖像権を侵害した告知を行っているとの情報を善意の方々から頂戴いたしております。
これらの「なりすまし」と弊社は一切関係ございません。
弊社商品の購入をご検討の皆様は、詐欺被害に遭われませんよう、十分ご注意くださいます事をお願い申し上げます。
中略(実際の業者名が掲載されていました)特許技術である凍結解凍覚醒法を用いた苗には、出荷証明書を添付いたしております。この証明書がない苗につきましては、全て凍結解凍覚醒処理をしていない苗ですので、ご購入の際にはくれぐれもご注意ください。(D&Tファーム公式サイト、インターネットアーカイブより引用)
このように同社が確立した凍結解凍覚醒法によるように偽った苗が流通していたようです。
粗悪品が出回る事でブランド力の低下を招いたのかもしれません。
ただ個人的にはもんげーバナナだけで、ここまで会社を維持できたのは凄いと思います。
結果は破産という事ですが、関わられた人たちは全員が胸を張って誇るべき事業です。お疲れ様でした。