昨年、サイトの方で公開した「津山事件を学ぶ」。
こちらのブログの方ではサイトの方のコンテンツに採用しなかった話題などを定期的に挙げていますが、今回はその中でも突飛な話題である「都井睦雄に子供がいた」というものを紹介します。

都井睦雄に子供がいた可能性は…ある?

進学せず家に留まった睦雄はもちろん独身でした。
ただし結婚しないと子供が作れないわけではありません。事件勃発の重大な事由の一つである夜這いを通じて、都井睦雄は複数の女性と性的関係を結んでいたと考えられています。既にコンドームは登場していましたが、一般に普及するようになるのは戦後の事と言われており、更に山間部である貝尾で普及していたとは思えません。
避妊具は他にもあったようですが、妊娠率を現在のように低く抑えられるわけではなかったようです。

つまり夜這いを通じて子供を儲けていた可能性はあり得ます。
さすがに独身女性を妊娠させたとなると何かしら記録が残っていそうなものですが、睦雄の相手には既婚女性もいました。
なので飽くまで仮定の話しですが、どこかの家で両親の子として育てられた都井睦雄の子供がいたという可能性は皆無ではないでしょう。

実は実在の人物を指していた?

都井睦雄の子供についての説を深堀していると、都井睦雄の子供とは実在の人物を指しているのではないかという意見が見られます。
それが寺井ゆり子の仮名で知られる幼馴染の女性の子供です。
ゆり子と睦雄は恋愛関係か、それに近い関係にあったとされますが肺結核が原因で離れる事になったとされています。

尚、津山事件の研究書で知られる石川 清さんは生前のゆり子から話を聞くことに成功していますが、本人はその関係を否定しています。
ただし重大事件を起こした犯人だからこそ否定した可能性はあります。事件前の状況で言えば小さな集落で年齢の近い二人、更に睦雄は別の記事で触れた通りルックスも決して悪くありませんし、学校では優等生、卒業後は働いていなかったものの田畑を有して裕福とは言えないまでもそこそこの家です。なので別に恋愛関係になるのがおかしいような相手ではありません。
なのでそんな二人の間に子供が出来ていてもおかしくは…、あるんです。

寺井ゆり子の第一子が誕生したのは津山事件から4年後です。なので都井睦雄の子供ではあり得ません。

この俗説が生れたのは二人の関係を勘繰る声が事件当時からあった事、そしてもう一つ津山事件を映像化した作品である「丑三つの村」で、ゆり子役のやすよが睦雄(作中では継男)の子供を身ごもったという設定がある事が考えられます。
丑三つの村はところどころにフィクション要素があるものの、全体的に津山事件の内容を忠実に再現した作品です。なので妊娠のくだりも事実だと思い込んでしまったのではないでしょうか。

という事で、結論から言うと都井睦雄の子供は可能性がゼロとは言えないものの、何かしらの証拠があるわけでもない俗説であると考えます。

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