倉敷市の古い心霊スポットに「向山洋館」と呼ばれる建物がありました。
向山の山中にある大きな洋館で、元々は宿泊施設だったとも保養所だったとも言われています。
それが使用されなくなって少女の幽霊が出る、敷地内に人の顔が浮かび上がる…といった噂が流れるようになりました。

しかし元々が山の一画を切り開いて作られた敷地なので、管理されなくなって徐々に森に飲まれていきました。
2000年代に入った頃には、門付近を見渡すのが精いっぱいといった状況になっていました。航空写真でも建物の有無は確認できません。
その為、ネット上で洋館にたどり着けた写真や動画の類は出回っていません。

前置きが長くなりましたが、先日おめこ橋の走行動画を撮りに行った際に、ついでに洋館の場所も確認してきました。
現在の様子がこちら。


あれ、門が無くなってる!?と思ったら、なんと産廃の処理場?になっていました。
Googleマップのストリートビューで確認すると2023年ごろに木々が伐採された様子が残されています。
トラックが停まっているところから少し前側に門がありました。
ショベルカーが見える辺りに倉庫か何か小さな建物があり、ネット上で向山洋館の話題で唯一出回っている写真がそれでしたが…、そちらは確実に失われています。

では本体を確認していきましょう。
実はこの工事の為に航空写真が変化しました。

まずはGoogleマップの航空写真、投稿時点での最新画像です。


写真の右側の森の中の木々が失われている一帯、これが洋館跡の木々を伐採して出来た空間です。
わりと大掛かりに切り開いている事が分かりますね。

では続いて、まだ向山洋館が木々に飲まれる前の1980年時点の航空写真を国土地理院提供写真から見てみましょう。

(写真提供:国土地理院)

この写真の青い屋根の建物が向山洋館です。
道がなだらかにカーブするところから西側に位置しているので、現在の航空写真の切り開かれたエリアが所在地です。
つまり建物は現存しない事がこれで確定しました。

長く不明な状態が続いたスポットですが、これで完全に消失しました。いつ建物が無くなったのかは分かりませんが、岡山からまた一つ有名スポットが消えてしまったなぁと寂しく感じました。




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