真庭市の高岡神社にお参りに行った際、境内にこのようなお社を見つけました。
建物の右側に立っている備前焼の像、分かるでしょうか。
歴史が好きな人ならこの佇まいだけで分かった人もいるかもしれません。
この人物は乃木将軍の呼び名で知られる乃木希典です。
日本陸軍の軍人で、軍人としての功績は日露戦争の指揮などが挙げられますが、もっともよく知られているのは明治天皇を慕い、その死後に後を追って殉死した行為ではないでしょうか。
…と書く私も、将軍を知ったのは社会に出てからでした。
当時の職場でお客様の名前を聞き取る際に「乃」という文字に対し、「乃木将軍の乃」ですと言われて、この時に私は誰の事か分からなかったのです。
今の教科書ではどうなのか分かりませんが、私が学生だった頃の教科書で乃木希典個人についての言及はありませんでした。もしかすると明治天皇の崩御に対し殉死した人だいた事くらいは学んでいたかもしれませんが、知識としてはそこまでです。
先方は高齢な女性の方で、その事実にとても驚き「時代が変わったのね、私たちの時代だと知らない人はいないような人なの」と話していました。
その後で後学の為にと、その生涯や評価について学びました。
その死後に乃木神社として祀られるケースお多かったそうですが、遠く岡山の地でもこうして祀られていたのですね。
神社に額のようなものはなく、名称は分かりませんでした。
ちなみに岡山県との関係で言えば、津山市の市街地にあるあけぼの旅館に宿泊したことがあり、その部屋は今も現存して宿泊も可能です。
では建物の内部を見てみましょう。
中央の祭壇の両上側にある写真はこの地の戦没者のようです。
「戦没勇士の面影 中井村」とあります。神社の所在地は中津井で、中井という地名を周囲で探すと高梁市中井町があります。距離で言えば5~6㎞程度なので、恐らく中井町で間違いないでしょう。
現在は真庭と高梁で別の市になって違和感があるかもしれませんが、元々を辿ればどちらも北房郡に所属の村でした。周辺で大きな神社の境内に…という事で高岡神社が選ばれたのでしょうか。
乃木将軍の生涯に感銘を受けている人がおられれば、岡山の地から拝んでみてはいかがでしょう。県南部の人からすると真庭は遠く感じるかもしれませんが、所在地の中津井はその中でも最も南の方に位置するのでそれほど距離はありません。特に細い道を通らずに行けて駐車場もあるので、行きやすいスポットですよ。