玉野市和田の国道430号沿いの山の中にこのような鳥居があります。
額には「水神 八大龍王」と書かれています。
八大龍王はその名の通り八名の王で、水の神である竜族とされています。
主に雨乞いの為に祀られています。
岡山県は雨の少なさから水不足に悩まされることが多く、水神を祀ったり雨乞いの儀式を行うことが多い地域柄です。
恐らくここもその1つなのでしょう。
ちなみにこの場所には稲荷神社も祀られています。
二社の関係は不明ですが、稲荷神社は農耕の神なので雨乞いと一緒にあるのは不自然ではありません。
参道を進むと稲荷神社の方が先にあります。
この神社周辺で寄進されている鳥居などは昭和40年代の物が多くあります。
神社のある玉野市和田地区は三井造船(現・三井E&S HD、三菱重工マリタイムシステムズ)の社宅などで栄えてきました。
昭和40年代は造船業もまだまだ好景気な時代だったでしょうから、多くの人がこの神社を守り、参拝してきたのでしょう。
ちなみに本殿はこのような感じです。
一見すると岩自体が本殿の代わりかと思いましたが、岩の下に社が築かれているようです。
どちらにしても岩を神格化しているのは間違いないでしょう。
玉野市では他に玉比咩神社や早瀧比咩神社といった霊岩を祀る神社があります。
かつての玉野市は自然に対する信心に厚い地域だったのでしょう。
お狐様1
お狐様2
後ろに小さなお社のようなものが朽ち果てた残骸がありますが、狐の前掛けは比較的新しいです。
管理自体は地元の方が続けているのでしょう。
さて。
稲荷神社の拝殿の先に八大龍王が祀られています。
この先が八大龍王を祀っている場所です。
足元が少し良くないので、来る場合はスニーカーなど歩きやすい靴を着用しましょう。
八大龍王の方には建物らしいものはなく、岩そのものを祀っているようです。
この辺りから山水が流れ出してきており、それがこの地に八大龍王を祀った理由でもあるのでしょう。
という事でここで見られるのは以上です。
木が茂っていて国道からは見えなくなっていますが、本当に道沿いにあるいい立地です。
この地が忘れられずに祀られ続けることを願います。