【心霊読書】日本怪奇名所案内を読んでみたよ! お化け屋敷③
少し前にサイトの資料として「日本怪奇名所案内」という、全国の心霊スポットを紹介する本を購入しました。
1976年出版の本ですが、せっかく購入したので幾つかスポットを紹介してみたいと思います。
京都祇園に出る哀しい幽霊(京都府)
今回はお化け屋敷編の最終回です。
全て京都・祇園の怪談です。全6話です。
第一話、井づつやのお多やん
かつて京都市の青楼(遊郭)だった「井づつや」の怪談です。
この建物の奥座敷には天井にお多福の面が現れる部屋があったそうです。
寝ていて目が覚めると現れ、それが徐々に大きくなっていって、最終的には天井一面にまで広がると「これでもか…」と話しかけてくるのだとか。
現在は開発が進んで半分は道になっており、もちろん井づつやの建物も残されていません。
第二話、故なく殺された十二の舞妓
1920年代の祇園の怪談です。
十二というのは年齢で、「先生」と呼ばれるお客さんに呼びかけられて応じようとした十二歳の一福という女の子が突然斬り殺されたのです。
「先生」は精神を病んでいて為の凶行で、一福には何の故もありませんでした。
その後、一福の血しぶきは壁を塗り替えても浮かび上がってきたのだとか。
余談ですが同様の話題が戦災で消失した岡山城天守閣にも残されていました。(関連リンク:旧岡山城天守閣の開かずの間)
第三話、濡れ衣で死んだ芸妓
京都市東山区川端四条上ルの辻米というお茶屋の怪談です。
このお茶屋には画家をしていた男性がいました。
ある時、彼は首を吊って死んでいる女性を見つけ、なんとそれを描いて軸にしました。
この絵の女はぬれぎぬを着せられて自害した女で、後に芬陀院の和尚さんの夢に立ち、辻米に行くように求めました。
住職はこの掛け軸を寺に納めたのだとか。霊は自分の最期の姿を供養してほしかったのかもしれませんね。
この本の中ではお盆に本堂に飾られていると書かれていましたが、検索してみたところ現在は行われていないようです。
第四話、金に怨みの女の幽霊
祇園では大体の人が知っているという有名な階段だそうです。
かつて四条通にお茶屋関係が利用していた村井銀行がありました。
しかしそれが突然潰れてしまいました。
この時に大末という茶屋を経営していたお末さんは自害してしまいました。
彼女は節約を重ね、預金通帳の残高が増えることを無二の喜びにしていたのだそうです。
それ以来、お店の建物ではお末さんが金を勘定したり咳払いをする声が聞こえたり、明け方に上を降り出した女の影が見える…という怪現象が続き、人はだれも住まなくなったそうです。
この話には後日談があります。
お末さんのお金は全く無くなったわけではなく、半分だけ払い戻されました。
このお金に関する怪談は、ぜひ本を買って読んでみて下さいね。
第五話、幽霊が「ただ今」
ひさという芸者が無理心中に遭い、亡くなってしまったという話です。
実はこの同時刻にお店にひさが「ただ今」と帰ってきたというのです。
びしょ濡れだったので、どうしたのか問うと謝りながら二階に上がって行ってしまいました。
後からひさがその頃に無理心中のために瀬田川に落とされたという事を聞いて、お店の人はゾッとしたそうです。
第六話、消えた写真…
昭和35年という、比較的新しい時代の怪談です。
急病で亡くなった芸妓が、その少し前に豊国踊りで撮影した写真に写っていなかったというのです。
怪談としてはなにか禍々しいものが写っていたというケースが多く、逆に生前から写っていなかったというのは珍しいパターンですね。
…と、長くなってきたので今回はここまで。
冒頭で触れた通りお化け屋敷の怪談は今回で終わり。次は「祟られた場所」について紹介していきます。
この本の他のスポットについてはタグの「日本怪奇名所案内」をご確認下さい。