少し前にサイトの資料として「日本怪奇名所案内」という、全国の心霊スポットを紹介する本を購入しました。
1976年出版の本ですが、せっかく購入したので幾つかスポットを紹介してみたいと思います。

血塗られた死刑の森の怨霊(群馬県)

群馬県倉渕村(元・高崎市)の怪談です。
倉渕村はかつて連合赤軍の山岳ベース事件の犠牲者が埋められていた場所です。

山岳ベース事件は連合赤軍の「総括」(反省などの意味)がエスカレートして発生した殺人事件です。
敗北死として正当化された殺人は12名にも及びました。

(ストリートビューは榛名アジトがあった辺り)
さて今回の話はその現場に探検に行った大学生らのグループです。
彼らが探検している人、その内の一人がはぐれて谷に迷い込んでしまったそうです。
本人は霧が深い仲を先に進む人の影について行っていたと話したそうです。この人は一体誰の影だったのでしょう。

赤軍アジト跡付近の幽霊(山梨県)

今回も連合赤軍に冠する怪談です。
場所は山梨県の観光地スポットとしても紹介されている旧割石トンネルです。
このトンネルは作業着を着た男性の霊や女性の霊が出るなどと言われており、現在でも山梨では定番の心霊スポットのようです。

しかし現在のネット上で旧割石トンネルと連合赤軍の話題を結びつけている内容は見られません。主に工事中に亡くなった作業員と考えられているようです。
これはどういう経緯だったのでしょうか。

幽霊が出始めたのが山岳ベース事件で殺害に至る総括が行われていた時期であったことから、彼らの霊だと考えられるようになったそうです。

しかしwikipediaでこの件について調べていると、この設定には無理があります。
この本の中では小嶋和子さん、加藤能敬さんがお亡くなりになった時期として1971年12月28日を挙げていますが、この時点で両名は存命。山岳ベース事件で最初の死亡者が出たのは12月31日です。
死んでいない人の幽霊が出た事になってしまいます。

大きな話題になっていた連合赤軍のニュースと地元の怪談が結びついて生じたものでしょう。

現象自体は山岳ベースで前述の二人がお亡くなりになった後も目撃談は出ていますが、そもそも山岳ベース事件の起きた場所と旧割石トンネルとでは随分と距離があります。
山梨に新倉ベースという連合赤軍の拠点があった事から混同された可能性も考えられます。
現在のように情報が豊富ではない時代は、心霊の噂もこのような感じだったのだなと思わせる一件でした。

峠で歌うと女の幽霊が出る!(鹿児島県)

著者が奄美大島のキャバレーSでリサーチしてきた怪談です。
リサーチのためにキャバレーに行ったのか、キャバレーで話題作りに心霊ネタを出したのか、興味深いところです(笑)

奄美大島のどこかの峠で歌を歌うと女の幽霊が出るという話があるそうです。
大正時代に身分違いの恋の為に結ばれなかった娘が自殺しており、それから起こっている現象なのだとか。
残念ながら悪天候のために著者は確認はできなかったそうです。

残念ながら場所に関してはノーヒント。
ネットで検索しても現在は伝わっていない噂のようです。

…と、長くなってきたので今回はここまで。
連合赤軍の件が2件出てきましたが、多くの犠牲者を出した事件なので各地でそういう噂があるようです。
ただし「山岳地帯の怪」では連合赤軍の話題はここまで。次回以降は有名スポットが続きます。ゆっくり読んでいきましょう。

この本の他のスポットについてはタグの「日本怪奇名所案内」をご確認下さい。




こちらもお勧め  【心霊読書】実写!日本恐怖100名所を読んでいくよ 近畿地方編⑧