少し前にサイトの資料として「日本怪奇名所案内」という、全国の心霊スポットを紹介する本を購入しました。
1976年出版の本ですが、せっかく購入したので幾つかスポットを紹介してみたいと思います。
死を誘う青木ヶ原の樹海地帯(山梨県)
山梨県の青木ヶ原の樹海に関する怪談です。
ここでは2つの話題が紹介されています。
まず1つ目は著者の知り合いに関するものです。
その人はウイスキー2本を持って12月の青木ヶ原樹海へ入っていきました。
そしてそれを飲み干して体を温めると、裸で横になってそのまま目覚めることなく凍死したそうです。
深酒で酔いつぶれた人が凍死する事例はニュースで見たことがありますが、樹海の中で死ぬためにお酒を煽る心情は想像できませんね…。
もう一つは鶴田照代とい霊能者が樹海で奨励をした話です。
この人物は前にも登場しているので、著者とグループのように仕事を回し合うような関係なのかも知れません。
その内容については本文を読んで頂くとして、一つ興味深いことを話しています。
この人は霊が見えるわけですが、富士樹海で「百年とか二百年それ以上の人の霊は、なぜか、一人も現れないのです」と話しています。
人間が樹海に入ろうなんて事を考えるようになったのは、わりと最近になってからなのかも知れませんね。
信州・秋山郷に若い女の幽霊(長野県、新潟県)
長野県と新潟県にまたがる日本の秘境・秋山郷の怪談です。
秋山郷の小赤沢から屋敷温泉に向かう山道で女の幽霊が出るというのです。
場所の条件は、
・小赤沢から屋敷温泉に行く山道
・こんもりとした丘がある
・庚申塔がある …以上です。土地勘がないので場所の特定は出来ませんでした。
この場所に22~23歳位の若い女性が出て、若い男が通るとニヤリと笑って手招きするそうです。
不思議なもので男でも老人や、女性が通ると出てこないそうです。
色情の悩みを抱いて亡くなった女性と見られており、庚申塔はその供養のために建てられているそうです。
庚申塔と供養は余り関係がないような…、そんな気がしました。
乗鞍岳と焼岳に点在する怪空間(長野県、岐阜県)
長野県と岐阜県に連なる乗鞍岳と焼岳の怪談です。
著者が新平湯の飛越山荘の女中から聞いたというお話です。
山を飛び交う雷鳥が、何かに打たれた用に死んでいくようになったそうです。
登山禁止の間も発生するので登山家の悪さというわけでもなさそうです。
しかも目撃情報によると雷鳥たちは飛んでいる最中に、なにもない空間にぶち当たり、その衝撃で死んでしまっていたのです。
目撃した人が石を投げてみてもぶつかりません。
その原因は後に「亡霊」とされました。
雷鳥がなにかに衝突する場所というのが、過去に登山家が遭難して亡くなった場所だというのです。
しかしそういう場所で雷鳥などの鳥が死ぬのであれば、全国各地でそのような現象が起こっているはずです。
どうして乗鞍岳と焼岳だけで起こっているのでしょうか。
もしこれらの場所を登山で訪れて、そこに不可思議な鳥の死体があったら…。その場所で過去に亡くなった登山家がおられるのかもしれません。
ちょうどこで山岳地帯の怪が終わるので、今回はここまで。
富士樹海で出る幽霊の年代や、雷鳥の死など、興味深い内容が多かったですね。
若い男性の方がおられたら、秋山郷を徒歩で散策してみてくださいね(笑)
では次回からは公共施設の怪を紹介していこうと思います。
ぜひお付き合いください。
この本の他のスポットについてはタグの「日本怪奇名所案内」をご確認下さい。