【南区】謎の“喘息専門薬”看板を追え|失われた「大熊薬局」と地図に残された微かな手がかり

折れ曲がった自信作|岡山市南区郡・「喘息専門薬」の看板

岡山市南区郡(こおり)の辺りをのんびりと散策していた時のこと。
路地裏で、思わず足を止めてしまうほど「味」のある古めかしい看板に出会いました。

「薬名不明」のストロングスタイル

それが、コチラです。

長年の風雨に晒され、中央から折れ曲がってしまっています。手で戻そうとしてみましたが、見た目の柔らかそうな質感に反して驚くほど硬く、この状態で固着していました。

看板にはこう記されています。

「五日飲んだら ぐんぐんキキメのわかる 喘息専門薬」
「遠くまでキキメで評判」

これほどまでに自信たっぷりの煽り文句が並んでいるのに、どこをどう見ても肝心の「薬の名前」が書かれていません。現代の広告基準では考えられない、あまりにストレートで、どこか愛嬌のある構成です。看板にある通り、効き目だけが評判だったのでしょう。

消えた「大熊薬局」を追って

看板の主である「大熊薬局」は今も存在するのでしょうか。
ネット検索では直接的な情報はヒットしませんでしたが、看板の下部に描かれた案内地図に、決定的なヒントが隠されていました。

地図上にある「森脇酒店」を手がかりに調べを進めると、岡山市北区番町にある「森脇英一商店(酒・醤油)」であることが判明しました。

残念ながら、その番町周辺をくまなく探してみても、大熊薬局の姿は見当たりませんでした。廃業して久しいのか、あるいは看板だけがこの郡の地に取り残されたのか……。

 倉敷にある「同名の薬局」との関係

唯一、倉敷市内に「大熊薬局」という同名の店舗が存在しますが、この看板との直接的な関係については不明です。

看板が設置された当時は、わざわざ遠方から買いに来るほど「遠くまでキキメで評判」だったのでしょう。この折れ曲がった鉄板一枚の中に、かつて喘息に悩む人々が救いを求めて番町や倉敷を訪れた、熱気ある日常が封じ込められているようです。

結びに代えて

街角にひっそりと残る古い看板は、かつての街の賑わいや、人々の悩みを解決してきた「商いの記憶」を今に伝えてくれます。

名前もわからない「5日で効く薬」。
その正体はもう分かりませんが、今もこうして散策者の足を止めさせる存在感は、看板としての役割を立派に果たし続けていると言えるかもしれません。




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