郷土の名士、里庄町出身の小川郷太郎という元衆議院議員がいます。
彼の経歴を調べてみると、阿波丸事件という事件が浮上してきたので調べてみました。
小川郷太郎とは
里庄町出身の衆議院議員です。
1929年に発足した濱口内閣で大蔵政務次官を務め、後に商工大臣、鉄道大臣にもなりました。
1943年からはビルマ国の財政再建の任務をこなしています。
ビルマ国は日本がイギリスの植民地だったビルマを独立させて成立した国家です。
そして1945年、シンガポールから日本へ向けて出発した阿波丸に乗船、後述のような状況で亡くなりました。
阿波丸事件とは
阿波丸事件は日本の貨客船である阿波丸がアメリカ海軍の魚雷を受けて撃沈された事件です。
乗船していた2000人以上の乗客は、攻撃をしてきたクィーンフィッシュに救出された一人を除いて全員が死亡しました。
小川郷太郎もその被害者の一人です。
戦時下の出来事とはいえ、阿波丸は日米の協定で安全運航を保障された緑十字船でした。
阿波丸が攻撃された理由には諸説有ります。
まずは伝達ミスによる攻撃説です。
アメリカ側も非を認めており、終戦後に賠償の代わりとして有償支援の金額を減免するなどの対応を行っています。
もう一つは日本側が本来は禁止されていた軍事輸送を行っていた事実があり、それを原因に実は計画的に攻撃をしたのだという説もあります。
現在
里庄町では里庄町歴史民俗資料館に胸像を飾るほか、小川賞という賞も実施されています。
小川郷太郎の誕生日である6月9日に授与される賞で、学業やスポーツ、生活態度がともに優れ、他の人の模範となる児童を表彰しています。