岡山県内の神社の各所で「木野山神社」という境内社が見られます。
これは高梁市にある神社を分霊したもので、かつてコレラが流行った際に快癒のご利益があると信じられ各地に広まっていきました。
コレラが漢字で書くと虎列剌であるので、狼を祀る木野山神社がそれに打ち勝つだろうと考えられたのだそうです。
虎 VS 狼!!!
…閑話休題。
木野山神社を訪れた際の事は以前にブログでも紹介しましたが、その時に山の中にある奥宮には訪れていませんでした。
暑くなると大変なので寒い時期に上ってしまおうという事で、お参りしてきました。
神社前を横切る道を進むとこのような看板が見えてきます。
奥宮まで2.3㎞です。この看板からは基本的に一本道なので、道に迷う心配はありません。
注意点があるとすれば道の状態です。
トレッキングですね。
余り道の状態が良いとは言えません。時期的に枯れ葉が多いというのもありますが、訪れる人自体が余り多くないのだと思います。
トレポは無くても良いですが、靴は履きなれたスニーカー推奨です。
ちなみに私はいつもバイク用のブーツです。安全靴のように足の大事な部位を守るプロテクターが入っているのと、足でシフト操作をする為すり減りを防ぐ為のガードがついている事以外では登山靴とあまり変わらない製品です。今回の記事に限らず、各地をウロウロする時は基本的に足元に関してはそこそこ装備を整えている事を差っ引いて読んでもらえると幸いです。
途中にはこのような感じの階段状になっているところもあります。
枯れ葉が多いので途中までは段になっている方が滑らなくていいやと思うのですが、疲れてくると逆にムカつくようになってきます。
所々にこうした丁石も接地っされているので、これ見て絶望しながら進みましょう。
途中の行程で特に見どころはありません。
ただただ道を進んでいくだけですね。
奥宮に比較的近い場所に東屋があります。
建造物的なものではこれが唯一ですね。ここにしても余り使われていないようで、御覧の通りやや荒れています。
座ると抜けてしまいそうですね。
奥宮までもう少しといったところなので、ここで止まらずに進む人が多いのだと思います。
これが奥宮の鳥居です。
この辺りに来ると枯れ葉が除けられていて、綺麗に管理されています。
ここを進めばすぐに奥宮の社殿が見えてきます。
じゃーん。
スゲェ立派です。奥宮について公式サイトでは解説がありませんでしたが、ネット検索してみると伯備線の開通に伴いアクセスの良い下に里宮が築かれたとあります。
奥宮、奥の院と呼ばれる場所はこのケースが多いですね。アクセスが悪いので下に移した、と。
それが伯備線の開通がきっかけとなると、当時の宮司さんは先見の明がある人だったのでしょう。
という事はこれが当時物の社殿という事でしょうか。
老朽化などに伴い簡素化されているケースも多いですが、ここは立派な社殿です。
現在の里宮もかなり立派な建物ですが、こちらも相当なものです。
そしてこの神社の見どころと言えば、やはり狛狼でしょう。
…可愛い(笑)
似ているので当然ですが、普通の犬にみえますね。
もう一つ末社の方から。
こちらは随分と精悍な感じの狼様です。
コレラの時期には多くの人が参拝し、そして快癒したお礼か快癒を願ってこうしたものを奉納されたのでしょう。
2019年頃から流行した新型コロナウィルスの世界的な流行の際にも、木野山神社は注目を集めました。しかし当時ほどお参りの方がいなかったのは医学の発達に伴う物なのか、それとも日本人の宗教観によるものなのか。
誰ともすれ違うことなく往復のルートを歩きながら、ふとそのような事を考えました。
…あ、ところで。
私は奥宮は歩くしかルートが無いと思って歩いてきたのですが、到着した瞬間に車道の存在をしりました。
決して道が良いとは言えませんが、こちらからの行き来はあるようで枯れ葉に轍が出来ていました。
奥宮周辺が綺麗に管理されているのも、神社関係者の方が足繫く通って清掃などをしている為なのでしょうね。