和気町長選挙告示 現職と新人の合わせて3人が立候補を届け出 4月10日投票【岡山】(https://news.yahoo.co.jp/articles/7676d8e2510b4b60bf5751d8e1a525fa95b4242b)
任期満了に伴う岡山県和気町の町長選挙が4月5日に告示され、これまでに現職と新人の合わせて3人が立候補を届け出ました。
和気町長選に立候補したのは届け出順にいずれも無所属で、新人で元和気町議会議員の太田啓補さん(63)、現職で再選を目指す草加信義さん(77)、新人で元中学校教諭の延堂守さん(63)の3人です。
和気町の町長選がスタートです。
小規模な市町村では首長選挙でも無選挙のケースも多いですが、和気町は3人が立候補。
町として変わらなければならないという危機感の表れでしょうか。
後日追記
→太田啓補さんが当選しました。
現市長・草加信義さんについて
現在の町長の草加信義さんは現在が1期目。
自民党、公明党が推薦を決めているので、順当に行けば当選最有力です。
個人的には年齢が気になります。任期中に80代になる事が町内でどのように受け入れられるのか。
公約としては人口減対策や防災が挙げられていますが、現職なので現在の町政の継続が柱になってくるのでしょう。
対する新人候補は元町議の太田啓補さんと、元中学校教諭の延堂 守さんです。
太田啓補さんの公約などについて
太田さんは町が取り組んでいるドローンによる輸送の事業の見直しを掲げています。
個人的にはドローン事業は先進性という点では興味深いですし、飛ばしやすい環境があるという点を活かした事業展開は面白いと思います。
現在の和気町の取組みは公式サイトで検索して見ると、物流、野生動物の動きの把握、行方不明者の捜索といった内容が出てきます。
この中で私が良いなと思っていたのは物流でした。家までドローンで運んできてくれるわけです。
しかし和気町自身が行った住民アンケートに弱点も掲載されていました。
気になった不満点を挙げてみます。
・注文してもドローンが場所まで取りに行くのが不便
・天候に左右されやすい
これは和気町が実際に取り組んだからこそ出てきた問題です。
最初の方は私も気付かされた事ですが、ドローンは必ずしも玄関先まで来てくれるわけではないのですね。
荷物を運ぶ為にはそれなりに大きなドローンになるので、離発着しやすい場所が必要です。それが家から近い事もあれば、距離が生じる場合もあるわけです。
個別の条件によりますが、足が悪くて困っている人にとっては宅配便で人が玄関まで持ってきた方が便利なのでしょう。
もう一点も注目すべき点ですね。私も小さなドローンを遊び用に持っていますが、風の影響をかなり受けます。これは意外と多かったのか、不満点に配送時間、配送日、配送中止などの連絡をスムーズに行う体制づくりも挙げられていました。
しかし個人的には縮小ではなく中止と掲げた事が、マイナスに出る可能性も感じています。
せっかくの取り組みや、上記のような問題点を割り出したりという実績もあるので、全廃ではない方向性もあっても良いのかなと。
太田さんは他に町営バスの充実や子育て支援体制の強化を掲げています。
恐らく町営バスはドローン中止の代替としての案でしょう。子育て支援については人口問題では一番重要なポイントですね。
延堂 守さんの公約などについて
延堂さんは元中学教師というだけあって、公約は概ね教育に関する内容です。
未就学児を育てる家庭に専門職員を派遣する家庭教育支援、図書館と学校図書室の蔵書充実です。
子育て支援は太田氏も掲げており、人口減が問題になっている和気町では重要なポイントです。
まず家庭教育支援。
私も田舎に住んでいるのですが、田舎で未就学児への教育を取り組もうにもそういう施設が充実していないという現実があります。
なのでそれを町が支援するのは一定の需要がありそうです。
もう一つの図書館の整備。
昨今では各自治体でツタヤなどの民間業者を入れたり、様々な図書館の在り方を模索しています。
蔵書の充実というのはやや地味ではありますが、ベーシックな取り組みとしては悪くないと思います。
他に耕作放棄地に町営農園を整備する構想も掲げています。
これはどれくらいの規模になるのかが注目ですね。町外の人も楽しめるような観光施設なのか、他の公約の延長線上にある町民の体験教育なのか。
和気町は自然保護センター、鵜飼谷交通公園などの子供が喜びそうな観光スポットがしっかりしているので、規模によっては町の新たな観光スポットとして期待できそうです。
しかし、ここまで延堂さんの公約を読んで頂いた方はどう感じたでしょうか。
良いと思った人もいれば、恐らくつまらないと方もいると思います。
町が高齢化しているという事は、子育てが終わっている世代が多いという事です。
延堂さんの公約は大切な事ばかりだと思いますが、子育てをしていない世代にとっては弱いです。
和気町の高齢化率は41.1%(2020年時点)です。人口の大きな部分を占める年代へのアピールが弱いかなと感じました。
もちろん孫の為や、町に住む子供たちの為として評価する向きもあると思います。
しかし個人的には全世代に旨味のある公約でないと厳しいのではないか…、そんな風に感じました。