2021年10月に実施される玉野市の市長選に立候補している赤松みちひろさんの「かわら版3号」が届いていました。
これまでに1号、2号と深堀りしてきたので今回も読んでいきましょう。
尚、今回の内容については1~2号で紹介した政策についての詳細の内容になります。
事前に赤松さんのWEBサイト、もしくはうちのブログで1~2号を読んでおいたほうが良いでしょう。
関連リンク:赤松みちひろ公式サイト オカマ二ブログ:かわら版1号、かわら版2号
地域格差のない教育改革
児童、生徒数の減少に追いつけず、弊害を招いている教育改革に取り組みます
①9年制義務教育学校の創設
先のかわら版にも挙げられていた9年制義務教育学校について。
義務教育学校は小・中学校を1つにしたものです。
形式としては小中一貫校に似ていますが、異なる点としては9年を一つの学校で勉強する義務教育学校に対し、中高一貫校は小学校と高校は別々の組織になっています。
赤松さんの政策では市内の小中学校を幾つかに再編成する計画のようです。
玉野市内の小学校は1クラスになっている学校が多い現状です。
再編、そして義務教育学校により学校の生徒数を増やし、クラブ活動などを行いやすい環境を作るのですね。
赤松さんの政策にもありますが、小さい頃からのクラス替えは社交性構築の為に大事な経験だと思います。
②幼稚園給食のモデル事業
新設される給食センターで、幼稚園給食のモデル事業を開始する計画です。
対立候補の柴田さんが給食センターの新設についての見直しを掲げているので、市議の立場として新設の正当性を掲げるのが目的ではないかと思っています。
幼稚園での給食は園によってマチマチのようですね。
完全にお弁当という所もあれば、間に給食を挟んだりというパターンも多いようです。
SNSやQ&Aサイトを見ても、保護者によって考え方は分かれるようです。
とりあえずモデル事業を行って、方針を決めるという事でしょう。
③待機児童ゼロ
幼保一体化、民間活力を利用して年間待機児童ゼロの実現。
民間施設の誘致を行うのは良いかもしれません。
今の親は教育熱心なので、わりと保育園の時点で選ぶんですよね。
そして人気はどちらかと言えば民営のようです。
その為に岡山市での子育てを考える人もいるようなので、玉野市内で民間の選択肢が増えるのは良いことだと思います。
④特別支援教育の充実
これについてはずっと掲げられている割に、内容が見えませんでした。
今回のかわら版でようやく「中学校卒業後の市内での教育環境の整備」という方向性が出てきました。
ただしこれは特別支援教育を必要としている生徒数にもよると思います。
整備することは大切なことだと思いますが、玉野市の人口で整備する事が果たして必要なのか。
個人的には疑問に思う部分があります。
⑤スチューデントガイドプログラムの充実
英語教育の為の取り組みです。
宇野駅、宇野港周辺は海外旅行の客が多いので、そこで実践的な英語の学習という事ですね。
これについては行っている自治体では概ね高い評価を得ているようです。
ただし宇野港での実施は直島へのフェリーの案内で終わりそうな気もします。
行財政改革と公共施設の再編成美
将来的に予測される財政不足への取り組み
①新病院建設
新市民病院の計画です。
赤松さんの政策では新市民病院での対応は絞って、難しい事は岡山市や倉敷市の大規模な病院にといった、やや規模を絞った計画のようですね。
そうすることで計画を予算内で収めるということのようです。
②ゴミ処理事業
個々のごみ排出量の抑制、費用圧縮…。
「個々の」というのは市民の事でしょうか。
どうやって?というのが見えませんね。
③固定費の削減
・公共施設の再検証、スクラップ&ビルド
・DXデジタルトランスフォームで業務効率化、行政職員の適正化(臨時職員も含む)
当たり障りのない書き方ですが、要するに公共施設の削減と集約、そして人員整理ですね。
リストラは出来ませんが、今回のかわら版で「臨時職員も含む」という記述が増えました。
これは後述しますが、とても興味深い点です。
⑤市政の見える化
これはもう当然です。
玉野市は古い体質で、見えない会議室で何かが行われて、決定事項となって降りてくる事があります。
これは改善ではなく、ようやく時代に追いつくということでしょう。
地域経済活性化の取り組み
①地域産業を応援する組織「チームたまの」
市内の商工業の発展を率先してサポートします…ということです。
前のかわら版でも触れましたが、これについては造船業の応援のように思えるんですよね。
10月から三井造船の一部の事業が三菱重工に移譲されます。
その応援というのは大切ですし、厚遇することで三菱に玉野での操業を続けてもらう事は市にとっての命題です。
しかし三井造船の不調から企業城下町である事の危うさも学んだはずです。
そこに力を入れるのが正しいのか? 私は少し疑問に思っています。
②入札制度、発注などの見直し
公共事業による市内の産業振興、そして事業者の育成…という事でしょうか。
③企業誘致
これについてはここまでのかわら版に有りませんでした。
柴田さんが最初から企業誘致を全面に押し出してきていたのとは違います。
私は当然に必要な内容だと思いますが、かわら版の第三弾まで出てこなかったこと。
これはどちらに投票するかで、重要なポイントだと思います。
内容的には柴田さんと同じで、自然災害が少ないことをアピールして…というものです。
ただし市内の主だった場所は海に近いという弱点を持っています。
企業誘致する場所は新たに開発したほうが良いのではないかと思います。
アフターコロナを見据えた魅力ある街づくり
①天然芝のグランドゴルフ場
要望が多いという事で紹介されています。
以前の仕事で老人会のグランドゴルフ大会への協賛などをしたことがありますが、確かに競技人口は多いんですよね。
大会もあちこちで開催されています。
②ボルタリングの環境整備
すでに整備自体は始まっていますね。
後はお金を落とす仕組みだと思います。
岩に登って、そのまま帰られてしまっては意味がありません。
③ビーチスポーツ
④自転車による街づくり
ここは柴田さんと同じです。
1つ違うのはツール・ド・玉野というロードレース大会の開催です。
⑤生涯学習の充実
これについては前のかわら版のほうが詳しかったですね。
市内にいる専門家に教えてもらうという内容でした。
⑥障害者スポーツの支援強化
やるなら本気でや取り組んで見れば良いかもしれませんね。
岡山県障害者スポーツ協会という組織が、様々なスポーツ教室を行っています。
施設や人の整備が進めば、そういう需要を取り込めるのでは…?と思いました。
⑦フレイル予防、認知症予防
サロンへ人を派遣する事業です。
これについても前回までから特に詳細は加えられていません。
個人的には賛成です。
⑧シーバス、シータクの充実
これも前回までに登場した内容です。
使い方の充実なのか、便数や路線の充実なのかは興味深いですね。
⑨病院について
この項目は長いので、ざっとようやくします。
まずは新市民病院の整備。
これについては先に紹介したバックベッドとしての病院の整備ですね。
チラシではバックベットになっていますが、これは誤植でしょう。
・ワクチン接種
・断らない医療
・新病院の運営の見える化
以上のことを掲げています。
新市民病院での小児科、泌尿器科の常勤体制、そして産婦人科についてはサテライト診療所を検討しているようです。
サテライト診療所は立地条件の良くない病院が駅前などの便がいい場所に診療所を構える方式です。
玉野市民病院の新設場所は宇野駅からそう遠くないような気がするのですが…。
なんとなくサテライト診療はオーバースペックのような気がしました。
感想
内容的には過去2回の繰り返しの部分が多いです。
ポスティングのチラシなんてそうそう読む人はいないでしょうから、逐一全ての解説を掲載するのでしょう。
興味深かったのは行政職員の適正化における「臨時職員」の記載でしょうか。
公務員の臨時職員は3年までという縛りがあります。
臨時職員を期限内まで雇用して、新たな臨時職員を入れなければ問題なく人員整理が出来ます。
何がとはいいませんが、「臨職なら紹介できるよ」みたいなお話はよく聞く話で、そこに切り込んでいけるなら、それは結構いい政策ではないかと思いました。
…と、ここまで赤松さん、柴田さん両候補の制作について深堀りしてきました。
関連リンクなどに出てくると思うので、参考にして頂ければ幸いです。
概ね要約すると、二人とも方向性はよく似ています。
小児科や手当などに寄る子育て世代への厚遇による人口増、IT企業等の誘致、自転車による町おこし…。
それらを削減などで無難な範囲に収めているのが赤松さん。実現可能性は高いですが、内容はやや守りに入っている印象です。
逆に大きく広げようとしているのが柴田さん。市の変化には赤松さんよりも期待できます。しかし縮小を伴わない政策中心なので、想定通りに企業誘致やふるさと納税による増収が出来なかった場合は絵に描いた餅に終る可能性もあります。
じっくり考えて16年ぶりの新市長を選びましょう。
2 thoughts on “【玉野市長選】赤松みひちひろさんの「かわら版3号」を深堀りしてみたよ!”