両備ホールディングスが保有する「岡山高島屋」の株式 全て高島屋に譲渡へ(https://news.yahoo.co.jp/articles/1fc7610ed262292bbe1da07af7cbf5f6ef5697cc)
2020年7月1日に、両備ホールディングスは保有する岡山高島屋の株式(全体の1/3)を全て、高島屋へ譲渡することを発表しました。
高島屋本体から「新たなステージでグループ企業の効果を追求したい」と要請があった為です。
どうして両備は高島屋の株を持ってたの?
まず余りご存じない方もおられると思いますので、両備ホールディングスが岡山高島屋の株式を取得するに至った経緯から解説します。
両社が提携したのは2010年4月のことです。
リーマンショックから売上が回復できずに苦しんでいた高島屋が、地場企業である両備ホールディングスの地元密着力や、小嶋光信社長(当時)の経営力や異業種のノウハウを導入する為に実施されました。
当時のVision岡山の記事によると、イベントの開催などで一定の効果が上がっていたそうです。
提携直前の2月に岡山高島屋は同社初の女性社長となる肥塚見春さんが就任するなど、抜本的な改革を進めていた時期だったのです。
今後はどうなるの?
両備ホールディングスの保有する全株式は高島屋に譲渡されますが、資本関係が無くなった後も当面は営業面などでの提携は続けられるそうです。
高島屋は米子店の株式をジョイアーバンに譲渡しています。
高島屋の名前こそ残った(JU米子タカシマヤ)ものの、自ら運営する中国地方の店舗は岡山高島屋のみになりました。
そこで拠点として資本提携の状態を解消して、自社で株式を保有する形にしたかったのではないでしょうか。
うがった見方をすると新型コロナウィルスの影響で両備ホールディングスもかなりの影響を受けているので、株式の譲渡で得られる現金が魅力的に感じられたという事もあるかもしれません。
インターネット上のコメントで興味深かったのは、岡山店の閉鎖の前段階ではないかという見方があったことです。
イオンモールの岡山駅前進出やそれ以前からの百貨店不況の影響もあり、岡山高島屋はデパ地下を除くといつ訪れてもお客さんがまばらな状況が続いていました。
そこで店舗の整理へ向けて両備ホールディングスが資本を引き上げたというのです。
確かにこの見方もあるのかなぁ…という気もします。
岡山高島屋はタカシマヤフードメゾン岡山店としてイオンモールの中に出店しており、大きな建物を構えず高島屋ブランドを活かしつつそういう形を中心に進めていくのもアリなのかもしれません。